作業の傍らとか、透析中に流しておくものが他に思いつかなかったときに『遺留捜査』を流すようになり、気づけば、このあいだBS朝日で一挙放送していたSeason 6まで追いついてました。このあいだ観たばっかりですが、BGVなので構わず流してます。
ここまで時系列に沿って順繰りに鑑賞してみると、色々と気づきます。京都に舞台を移して、このSeason 6で5年が経過しており、もはや安定してしまった。仮に新シリーズが製作されるとしても、たぶん舞台とメインキャストの面子は変わらないでしょう。っていうか、あんまし想像出来ないし、たぶん落ち着かない。
しかし、いちばん注目してしまうのはやっぱり科捜研の村木さんです。第1回からず~っと糸村さんに無茶振りをされているのですが、糸村さんが警視庁捜査一課から月島中央署に異動になって縁が薄くなって安心したのに、変わらず遺留品を持ち込んで無茶な鑑定を依頼する、という格好で出番が続いてしまった。更にSeqson 4で、糸村さんが京都府警に異動になるのと相前後して、人事交流として京都府警の科捜研に赴任したことにより、『遺留捜査』で糸村さんを除いて唯一、ず~っと登場し続けるキャラクターとなった。
村木さんがずっと出続けているいちばんの理由は、糸村さんが無茶振りをする相手がしょっちゅう入れ替わると、急がせる理由の説明が無駄に繰り返されて、下手をするとギスギスしたひと幕になってしまうから、ず~っと無茶振りされ続ける村木さん、というキャラクターを置くことを選択したのでしょう。その代わり、毎度のように糸村さんに厄介な仕事を回されることへの苛立ちとか、しばしば繰り出される反撃、といったやり取りの面白さも、シリーズの魅力として組み込まれた。
たぶんそういう、構成上の必然から登場し続けるようになったと思われる村木さんですが、その結果、明らかにだんだん、糸村さんと仲良くなっている。最初はあくまで業務上の付き合いだったはずで、プライヴェートまで振り回されたくない、という雰囲気を出していたのに、気づいたら、ときどき一緒に出かけている。Seaso 5とSeqson 6との間に放送された特別篇では、天橋立に所用で出かけるのに一緒に赴いて、ひとり展望台まで行ってしまった糸村さんに、村木さんが「誘えよ!」とキレたりする。このエピソードで村木さんは事件に巻き込まれて重体に陥り、糸村さんが本気で心配するくだりがあります――が、まあこの基本泰然自若に振る舞う糸村さんと言い条、Season 2で同僚を亡くしたときも動揺を見せているくらいで、さすがに心配くらいはする。
とはいえ、この糸村さんと村木さんとの、関係が段階的に深まっているようにも見える描写は、立て続けに鑑賞するとブロマンスっぽさを醸し出してます。まあ私は、糸村さんのキャラクターと村木さんのみならずコンビを組む神崎さんなど、振り回される人たちとのやり取りの面白さと、意外と堅実な謎解きの魅力を楽しんでるだけなんですが、腐り気味な方は、そのつもりになって観てたりするのではなかろうか。

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