今年も大晦日は1年のまとめでお茶を濁します。なお、掲げた作品のなかには、まだ感想を仕上げていないものも多く含まれてますが、リンクだけは既に設定してあります。近いうちに余裕を作ってアップしていくつもりなので、今日のところはご勘弁を。
劇場で鑑賞した本数:111本
いつも以上に作業に追われ、なかなか映画館に脚を運びづらい時期もありましたが、どうにかこうにか目標は達成した格好です。12月に至っては、詰めこんで出歩きにくいのを逆手に取って、あえて本数を絞り、年間累計をゾロ目に抑えようともしてしまった。本当なら、ちょっと無理すればあと2本くらいは観に行けたんですが……感想を書く時間が犠牲になってて、これ以上宿題を増やすのもしんどいですし。映像ソフトもしくはオンデマンドで鑑賞した本数:3本
……少なっ。コロナ禍はなかなか粘り強く行動を制限し続けて、年明け早々に予定していたイベントもまたぞろ延期になってしまいましたが、映画館の営業はもうほぼ平常通り、イベント上映も少なからず開催されているし、自宅にいるときはなかなか映画をまとめて観る時間も確保出来なかったので、そのぶん自宅で観る本数が一気に減ってしまった模様。観たいテレビ番組がまったくないときに、たまたま配信されたばかりだった『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』を観る、なんて展開が12月にもなってにわかに発生しましたが、こういうケースでもない限り、来年も似たような感じになるかも。
最も多く訪れた劇場: TOHOシネマズ日本橋 27本
昨年からの午前十時の映画祭の復活により、やっぱりこっちが多くなってしまった。しかし私にとっていちばん近場になるTOHOシネマズ上野も23本とかなり肉迫している。プレミアムシアターで観たい、という理由がない限り、アニメはここを最優先にし、母が同行する場合もまず上野でかかっているか調べる習慣になっているので、こちらも多くなった、という事情があるのです。それに続くのはTOHOシネマズシャンテの12本。ミニシアター系の作品を意識して押さえていて、しかもTOHOシネマズのシネマイレージカードでポイントが貯まる使える、というのが結構大きい。今年は特に、ドキュメンタリーが多かったのも印象的でした。
私的ベスト10(2021年11月以降に劇場で封切り公開され、今年鑑賞した作品)
順位 | 作品タイトル | 日本公開日 |
---|---|---|
1 | 『THE BATMAN-ザ・バットマン-』 | 2022年03月11日 |
2 | 『ブレット・トレイン』 | 2022年09月01日 |
3 | 『ウエスト・サイド・ストーリー(2021)』 | 2022年02月11日 |
4 | 『雨を告げる漂流団地』 | 2022年09月16日 |
5 | 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』 | 2022年01月07日 |
6 | 『英雄の証明(2021)』 | 2022年04月01日 |
7 | 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』 | 2022年12月16日 |
8 | 『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』 | 2022年12月23日 |
9 | 『シン・ウルトラマン』 | 2022年05月13日 |
10 | 『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』 | 2022年01月28日 |
特別枠 | 『生きる LIVING』 | 2023年03月31日 |
そもそも《バットマン》というヒーローの設定が私好みなのですが、1位は私のほぼ理想と言っていい仕上がり。悪党に恐怖をもたらすため、というバットマンの造形やその戦い方が完璧に活かされ、なおかつヒーローとしての葛藤も描いている。そのうえ、ミステリ的な要素もあるんですから、ほんとーに私のストライクど真ん中。3時間近い尺も苦にならない、大傑作だと思う。
2位も完全に私の好みだからこそのランキングです。私が映画道楽にハマるきっかけとなったブラッド・ピット主演で、本邦の伊坂幸太郎作品をハリウッドのスタッフが映画化、しかもこのぶっ飛び具合ときたら。それでいて、ちゃんとミステリ原作らしい伏線の妙やサプライズも仕掛けてあって、こんなにも楽しい作品は久々でした。
3位は歴史的名作をリメイクする、という無謀とも思える試みを、たぶんもっとも理想的な形で実現した作品。本質は歪めず、しかし表現をアップデートしたのが素晴らしい。
ベスト10で唯一拾ったアニメとなる4位は、たぶんここ数年に観た新作アニメでいちばん好きな1本。完全なるオリジナルで、現代的な要素と冒険の昂揚感を巧みに併せて描ききったことに痺れます。5位は、単独で観て面白いのか? という疑問は大いにあるものの、だからこそ、トビー・マグワイア版《スパイダーマン》から始まる実写映画の歴史をも内包するドラマに、そこからずっと追ってきた者として痺れずにはいられなかった。愛着、という意味ではどーしても上位に入ってくるのです。
これ以下で特筆すべきは、駆け込みで入ってきた、今月鑑賞の2本です。好きなタイプの映画か、と問われれば違うけれど、やっぱり7位の映画としての驚異的な仕上がりは無視できない。それに対して8位は、もう純粋に、私にとって最高に楽しい映画でした。ちょっと不満があるので、やや順位は落としましたが、それでもベスト10からは外したくなかった。
なお特別枠として挙げた『生きる LIVING』は当初、全体の3位に入れてありました。が、ランキングにあたって設定したルールからすると、今年ランキングに加えちゃいけないのです……しかしどーしても触れずにいられなかったので、ここに残しておきました。
私的ベスト10(2021年10月以前に公開され、今年鑑賞した作品)
順位 | 作品タイトル | 日本公開日 |
---|---|---|
1 | 『蜘蛛巣城〈4Kデジタルリマスター版〉』 | 1957年01月15日 |
2 | 『ファーゴ(1996)』 | 1996年11月09日 |
3 | 『ドライブ・マイ・カー』 | 2021年08月20日 |
4 | 『ドライビング Miss デイジー』 | 1990年05月12日 |
5 | 『イングリッシュ・ペイシェント』 | 1997年04月26日 |
トップはやっぱり黒澤明監督になってしまった。シェイクスピアの代表作を、どこまでも日本的な悲劇のドラマにしてしまった豪腕にはひたすら唸らされます。
2位の作品、実のところ今年が初見ではないのですが、初見は購入したDVDで、しかもいつ観たか記録がない、という理由で今年のランキングに加えたところ、ず~っと上位に留まり続けて、ベスト5に残ってしまった。クライマックスのインパクトが強烈ながら、サスペンスとしてブラックコメディとして極上である、というのも重要。
公開は昨年、しかし息の長い上映のお陰で映画館にて観ることが出来た3位は、このなかでは最新ながら文句のつけられない傑作。展開としてそれほど複雑ではないのに、3時間近い尺を魅せてしまう力強さも踏み留まった理由です。
4位と5位は傑作であると同時に、純粋に好きな作品。ドラマとしてのふくよかさ、情感いずれも私が映画でいちばん好きなものでした。
2022年の展望
今年は2022年中盤以降、意識的に作業を詰めこんでいたせいで、なんとな~くチェックはしていても、きちんと上映時記を把握してない、という状態が続いてます。なので、来年なにがかかるかもいまいち解ってない状態。それでもまず外せないのは、『生きる LIVING』(東宝配給/3月31日公開予定)です……東京国際映画祭で鑑賞済ですが、既にもう1回観たくて堪らなくなってます。オリジナルが好き、という方もいちどは観てみるべき。
そしてもうひとつの『君たちはどう生きるか』(東宝配給/7月14日公開予定)。戦前に発表された小説を、宮崎駿監督がどのようなかたちで昇華するのか、正直なところ期待と不安が入り乱れている感覚ですが、やっぱり観逃すわけにはいきません。何だかんだで、『天空の城ラピュタ』からぜんぶ、映画館でいちどは観てるんだもの。
あとは現時点で「これは観ておきたい」と思っているのは、庵野秀明監督作品『シン・仮面ライダー』(東映配給/3月公開予定)、『アラーニェの虫籠』の前日譚『アムリタの饗宴』(ゼリコ・フィルム配給/5月56日公開予定)、そしてアクション映画シリーズのいずれもクライマックス前哨戦となる『ワイルド・スピード10(仮)』(東宝東和配給/5月公開予定)、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(東和ピクチャーズ配給/7月21日公開予定)。他にも、M・ナイト・シャマラン監督最新作とかもある模様。
個人的には、そろそろマーヴェル作品を追っかけるのに疲れてきてます……が、DCのマルチヴァース構想に含まれないシリーズにはちょっと期待を抱いてます。また、これらの作品群で浸透してきた“マルチヴァース”という発想をオリジナルで活かし、北米でも大ヒットとなった『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(GAGA配給/3月3日公開予定)はだいぶ楽しみにしてます。
何にしても、来年も相変わらずひたすら映画館に通うのでしょう。
それでは皆様、良いお年を。
来年はより平和で、みなが穏やかに過ごせますように。
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