昨年9月にリリースされた『帰ってきた!監死カメラ3』を鑑賞。恒例の『K-FILE』『KATORの怖い話』のほか、再生するごとにタイムスタンプが進む異様な動画“変異する動画ファイル”、死んだ娘が例となって帰っていることを証明したい人物を巡る“ゴースト~愛ゆえに~”など全5篇を収録。
amazon.co.jpのレビューは高評価が多いんですけど、私はあんまし賛同できない。このシリーズが育んでしまった悪い部分があまりにも濃厚に出過ぎてて、個人的にはちょっと不愉快。
特にその悪さが出ているのが『KATORの怖い話』です。こんな微妙なエピソードを投稿してくる奴もどうかしてますが、採用するスタッフはもっと質が悪い。加えて、それをあまりにも不自然な演出で再現してしまったドラマのパートが駄目。少なくとも、わざわざ再現VTRを作るようなエピソードなら、ここで笑いを取るような演出はしちゃいけないでしょ。
どー考えても作り物なんですが、これまで提示されたキャラクター性に沿って展開し、複線も回収した“K-FILE3”は許してもいい。設定はいいのに、細部の心情をきちんとフォローせず急ぎ足で美談風にしてしまった“ゴースト~愛ゆえに~”も趣向や考え方は評価できる。関東で採り上げた“研究”も着眼点はいい――んですけど、そこにあるわざとらしさを開き直ったような作り方が全篇に蔓延しているのはいけない。そういう意味で本当に面白かったのは“変異する動画ファイル”だけでした。
現時点ではこの巻でシリーズはひとまず打ち止めとなっているようです。創意工夫という意味では相変わらず抜きん出ているのは確かなので、続くようならまた追いかけてみようとは思ってますが……その場合は色々と見直すべき点があると思う。とりあえず“KATORの怖い話”は仕切り直すべきだぞ絶対に。
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