今年2月リリースの『心霊~パンデミック~ フェイズ18』を鑑賞。深夜の墓地巡りを趣味としていた投稿者が遭遇した恐怖“みられている”、古いホームビデオに残された異様な映像“うけつぐ”、深夜のドライブで火妙な女性に遭遇した記録を持ち込んだ投稿者を襲う悲劇を追った前後篇“あざなえる”など全6篇を収録。
……前巻の件はどうなった?! あの女性たちは無事だったの?! あれでなにか解決してたのか?!
例によって前後篇のエピソードで徳丸と金井が出張ってきますが、前巻の出来事にはほとんど触れず進む。後篇に入って、あれがきっかけで霊感を身につけた、と徳丸が言い出したり、ラストでちらっと言及はありますが、それ以上の詳細にはまったく触れず。どう見ても人死にが出てるか、そうでなくとも充分に事件性のある出来事だったのに、よくこの程度の扱いで終わったことに出来るな。その神経がいちばん怖いわ。
そのモヤモヤ感を抜きにしても、やっぱり全体的に出来は悪い。序盤の“みられている”“とりにもどる”は完全にカメラの位置を把握して出てくる怪奇現象があまりにも不自然ですし、長篇に至っては、徳丸に霊感設定を加えたことで胡散臭さが増大してしまった。そうしなきゃ後篇のオチに持って行けなかったのかも知れませんけど、だったらこんな組み立てにするなよ。
唯一、“うけつぐ”だけはまあまあ評価してもいい……が、この方向性は『呪われた心霊動画XXX』シリーズで追求し続けているのと同じなので、独自性は感じない。とはいえ、どうせ前後篇にするのなら、この映像の背景について掘り下げていった方がよっぽど面白かったんではなかろうか。
前巻の結末をなあなあにしてしまったことで、いよいよ愛想が尽きた気がします。最初の頃は期待も大きかったんだけどなぁ……。
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