暗殺を止めろ。［レンタルDVD鑑賞日記その712］

　いつもは出かける木曜ですが、今週は映画館に行く回数が多いので、あえて自宅蟄居。それでも映画は観るのです。月額レンタルで映画が１本届いてたし。
　というわけで鑑賞したのは、1997年作品、マカオを舞台に、３つの勢力の争いを背景に暗殺者たちと悪徳警官が暗闘を繰り広げる『ロンゲストナイト 暗花』(Only Hearts初公開時配給／Art Port映像ソフト発売)。
　クレジット上、監督はパトリック・ヤウになってますが、imdbなどを参照すると、製作のジョニー・トーがノンクレジットながら監督も兼任してるらしい。しかも脚本は、トー監督作品のなかでもやたら変わった趣向を盛り込むときには必ず出てくるヤウ・ナイホイだし、私としては観ないわけにはいかない。
　案の定、実にひねくれた趣向に彩られたノワールの秀作。如何せん、リマスターもされてない粗い映像のままのせいもあって人物の見分けがつかないのに困りましたが、激しくも節度を保った暴力描写と、謎を秘めて惹きつける構成、そして映像的なアイディアに富んだアクション・シーンと、確かにジョニー・トー監督×ヤウ・ナイホイ脚本の個性が際立ってる。
　少々行きすぎてて「そこまでやる必要あんのか?!」と疑問に感じるものの、外連味の強さで押し切られてしまうパワフルな作品。結末の虚無的な余韻もいいです。