コラボっていうか、キメラっていうか。［レンタルDVD鑑賞日記その716］

　きょうははなから自宅にて、レンタルのDVDを観るつもりでした。午前中はダイソーに買い物に行く用事があったし、今回借りてだいぶ時間が経っちゃったし。鑑賞したのは、イタリアン・ホラーの名匠ダリオ・アルジェントがヒッチコックをモチーフにしたテレビ映画、映画学校の生徒が向かいの家で起きた殺人を目撃してしまったことで繰り広げられるサスペンス『DO YOU LIKE HITCHCOCK? ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック？』(INTER FILM映像ソフト発売)。
　……それなりにダリオ・アルジェントは好きだけど、これはあんまし庇えない出来。
　雰囲気は出してるんですが、採り入れたいシーンやモチーフを優先しすぎて、それぞれの必然性が不充分。特に、印象的な見せ場なのに、いざ観終わってみたらそのくだりに何の意味もない、という場面があるのが引っかかります。ネタばらしになるので具体的には触れませんけど、あんなに盛り上げておいてその後音沙汰なしかい！　とツッコむくだりが数回あります。
　個々のシーンについてはものすごくダリオ・アルジェントらしいし、テレビ映画であるが故に過激表現に規制があったと思われるなか、ある程度ショッキングな描写を実現しているのは職人的。
　近年、スリラーの新作もなかなか届かないなかで、ファンが渇を癒やす目的で観るならば、ある程度は満足出来るでしょうけれど、それこそヒッチコックの上質なサスペンスを求めるひとは不満だと思う。