明日は夕方から2ヶ月にいちどのアレがあり、いつもの時間に枠が取れないので、基本は休みにしている木曜日のきょうに透析を実施しました。テレビ番組で見るものがあればそれをお供にするのですが、なーんにも引っかからなかったので、レンタルしてあったこれを鑑賞。『フロム・ヘル』のヒューズ兄弟が2010年に発表した近未来アクション、核戦争によって荒廃した世界を、唯一残された貴重な“本”を携え旅する男を描く『ザ・ウォーカー(2010)』(KADOKAWA映像ソフト発売)。
知性的な『マッドマックス』とでも言うのだろうか。率直に言って、最終戦争後の世界、というヴィジョンじたいがもうあまり目新しくないので、全般に既視感が強い。ヴィジュアルの統一感と洗練ぶりは見応えがありますし、ひとくちに“荒廃した世界”と言っても、生活の仕方や共同体のあり方、といったディテールにこだわりも感じられるんですが、もーひとつパンチが足りない。
個人的に、ここで描かれるドラマは好きです。しばしば弱者を見捨ててでも、1冊の本を届けるため旅をする男。その本の意義を理解し、奪おうとする共同体の独裁者。闘争に相前後して描かれる勢力図の変化、旅の継承、といったモチーフのロマンはなかなか。オリジナルでこれだけ雰囲気のある作品を生み出す作家性には惹かれるものがある……んだけど、本篇以降は監督の双子コンビは袂を分かち、別々に監督作を発表しているもののいまいちパッとしてない模様なのが残念。続く作品もそのうち観てみるけどね。
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[…] 原題:“The Book of Eli” / 監督:アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ / 脚本:ゲイリー・ウィッター / […]