もはやツッコむのみ。[レンタルDVD鑑賞日記その724]

  昨年9月リリースの『心霊~パンデミック~フェイズ20』を鑑賞。YouTuberが配信で実施しようとした商品レビューが異様な怪異を招いた“けむる”、幼少時のクリスマスの食卓を記録したビデオに不可思議なものが映り込んだ“ふくせいする”、スタッフをも巻き込んだ調査の顛末を追った前後篇“続・あざわらう”など、全篇を収録。
 単品はまあまあ楽しめる。趣向としては有り体ですが、無駄な装飾なく、映像と簡単な後日談への言及だけで済ませているのがいい。映像がわざとらしくても、取材により怪異を炙り出す、というスタイルが個人的には好みですが、映像自体がある程度引き立っていればその必要はない。今回収録された4本は、やや過剰な点はあれど、少なくともいちど観たときのインパクトは充分なので及第点だと思う。
 問題は、前巻から続く長篇です。正直なところ、前巻の内容をぜんぜん覚えてません。覚えてないのに、取材に向かったスタッフの災難を中心に回想するもんだから、こちらは入り込めない。それこそスタッフが訳も解らず右往左往しているだけに映る。
 ……とにかくこのシリーズは、徳丸というスタッフの言動が非常識すぎて、そちらに対する苛立ちが勝ることがしばしばです。しかし今回はそれ以前に、ドキュメンタリーにしては不自然なカメラワークが多すぎて、もはやフェイクであることを隠してないのが気になる。だとしたら尚更、もうちょっと設定や言動はリアルにしろよ、と言いたくなるのです。ラストに起きた事件を、その程度の言及で片付けるなよ。現実ならもっと色々触れなきゃいけないことがあるだろうが。
 この長篇は、途中に登場する聞き込みの相手の言動も台詞じみていて一向にリアリティがないので、どうしたってフェイクとして楽しむしかない。それならば、せめてもうちょっと現実を考慮した表現、展開を心懸けて欲しい。からワークの不自然さや演技の不自然さでも醒めるのに、展開までツッコミどころメインでは、もはやツッコミを楽しむしかないじゃないか!

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