主役はUMAかも知れない。[レンタルDVD鑑賞日記その738]

 今年3月リリースの『封印映像51 ココデミテル』を鑑賞。コロナ禍で直接会えない友達同士がネット経由で始めた宴会に不気味な存在が紛れ込む“リモート飲み会”、ひとり暮らしの老人の末期を看取った女性が記録した怪異“訪問介護”、しばらく留守になった実家の掃除を頼まれた男性が壁から突如生えてきた茸のようなものの成長を映像に残した“観察日記”、アイドルをやめたあとも執拗につきまとうストーカーが送りつけてきた映像から判明する不気味な事実を描く表題作の全4篇を収録。
 ……なんだかこのシリーズは、たまたま映像に記録されちゃったモンスターに焦点を当ててる、みたいな感じになってきました。ちゃんと怪奇現象を追ってるな~、と思ってたら、クライマックスで突然変なものが出てくるし。
 特に異様なのは表題作です。この流れであんな代物が出てくるとは思いません。そういう意味では意外な話ですが、ちょっと行き過ぎで笑ってしまいます。もうちょっと加減を考えようよ、カメラワークも含めて……焦ってるわりにはしっかり撮れすぎなんだよな。
 そしていちばん気になるのは演出補・田中です。従来も変に超然とした言動が見られましたが、前巻、前々巻の連作で失踪から帰還というプロセスを経て、いよいよ変な存在感を出してきた。まあそれはそれでいいんですけど、果たして、そんな彼女に別の演出補が相談するくだりや、どっちがインタビューをする、というやり取りを挟む意味はあったか。超然としたキャラを確立するために無駄な描写を盛り込んでいるような気がします。それがシリーズに筋を通したり、怖さを助長する場合もありますが、本篇の場合は決して巧く行っていない。むしろ田中という“キャラクター”の違和感が増大してしまってる。
 前巻でいったん姿を消した霊能力者たちといい、このシリーズはレギュラーを出すと途端にホラーコントみたいな趣になってきます。だんだんそっちに振り切ろう、と試みている印象も受けますが……成功してるか、と問われると……。

コメント

タイトルとURLをコピーしました