だいたい頭が見切れてます。[レンタルDVD鑑賞日記その741]

 昨年11月リリースの『心霊闇動画47』を鑑賞。投稿者の祖父が勤めていた警備会社で話題になった防犯カメラの怪異“地上げビル”、デリヘルの紹介動画配信中に起きた想定外の出来事とそれに絡む怪異“死へ誘う顔”、41巻の投稿映像に登場した廃墟で記録されたもうひとつの恐怖“最後の電話”など、全6篇を収録。
 やっぱりペースの早さは評価出来るけど、それだけ、というのが正直なところ。小粒なネタが多いのは致し方ないにしても、もうちょっと加工を丁寧に仕上げるとか、映り込むシチュエーションを多岐にするといった努力はして欲しい。
 このシリーズはドキュメンタリー部分もインタビューやスタッフ自身のコメントのみでまとめることが多く、けっこうお手軽な傾向にある。まあ、予算にも限りがあるでしょうから、それはそれでいいんですが、ならばこそ言葉のなかでのシチュエーションにももっと趣向を凝らして欲しい。“地上げビル”なんかインタビューだけでけっこう巧く風呂敷は広げてますが、ありきたりすぎるのと、現象それぞれのリンクが微妙で、「偶然じゃない?」という疑問が拭えない。
 唯一、観ていても緊迫感があるのは巻末の“最後の電話”です。シリーズ先行作から観ているひとなら「ああ、あれか!」と思い至るくらい印象の強いエピソードと繋がっているので、それだけでも期待を煽る。かてて加えて、持ち込まれた映像がなかなかエグいシチュエーションなので、作り物と思っていてもちょっと戦慄します……が、その割に、肝心の怪異にインパクトがないのが残念。
 ペースは速いし、珍しく次巻での大きな事件を予告するくだりを挿入したり、と視聴者を繋ぎ止めようとする工夫もしていて意欲も感じるけれど、でもやっぱり物足りない。直前に、相変わらずやたらと込み入っていて薄気味の悪い『呪われた心霊動画XXX NEO_09』を観てるから尚更に引っかかるのでした。

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