11月17日に、2020年12月リリースの『Not Found 44-ネットから削除された禁断動画-』を鑑賞。安易な実験の結果起きた惨劇《熱した鉄球が》、視聴者からの訴えに杉本が立ち上がる《杉本、鬼退治へ行く》、写真に映り込んだ謎の人物を追う前後篇《生霊》など、全6篇を収録。
この手の怪奇ドキュメンタリーではある意味、特に個性的とも言えるこのシリーズ、今回もシリーズならではの定番の構成を守っている。冒頭は怪異ではなくグロい怖さのある映像、怪奇現象の出てくる単発もの数点に、前後篇で収録されたエピソードと、あと演出補・杉本のやらかしエピソード。
というわけで杉本は今回もやらかしている……というか、もうわざとやってるとしか思えない。ちょうど本篇の撮影時には最高潮だったアレを意識しているとしか思えないパーツに、より伝統的なアレの要素がちりばめられる、という、ハッキリ言って馬鹿馬鹿しい展開。あの映像を真に受けて、わざわざ埼玉の神社に向かう杉本もアレなら、道中に登場する要素でいちいち幻惑されている他のスタッフがしょーもない。滅でも桃でもどっちだっていーんだよ!!
ただ他の、普通に怪奇映像を追ったエピソードはそれそれになかなか見応えがあります。リリースされた2020年の社会的変化を背景とする《ビデオ会議中に…》、シンプルに怪談じみた《椅子の中に》も、それぞれにちょっと興味深い。
特に前後篇《生霊》は、こういうオカルト系ではたまに聞くけれど、それじゃあその出所はどうなってるんだ? という不思議をきちんと追っている。調査対象となった人物の言動、反応にしても、そうなってもおかしくない。真偽はさておき、ホラーとして成立してます……あの解決の仕方は、また別の不幸を生みそうで、正直あんまし望ましくなかった、とは思うが。
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