いまもどこかで暮らしてる……?[レンタルDVD鑑賞日記その772]

 11月30日に2022年8月リリースの『呪われた心霊動画XXX_NEO 14』を鑑賞。健康管理で始めたランニングの際に異様な出来事に遭遇する《常に前にいる》、娘のために撮影した可愛らしい動画に怪異が映り込んでしまう《コマ撮り姉妹》、撮影のために集めた機材に起きた怪異の背景を調査するうち不気味な事実が判明する《アナログテレビ》など、全7篇を収録。
 前巻が個人的にはここ数年のベスト級のクオリティだったこちらのシリーズ、それゆえにあえて期待しすぎずに鑑賞したのですが、今回も実に良かった。
 またしても全篇が微妙にリンクしていく内容で、これだけ多数の怪奇映像ドキュメンタリーが存在する昨今、1箇所にこうもハイレベルで、かつ繋がりあう内容の投稿があるんか? という根本的な疑問はど~しても拭えませんが、しかしそんな些末な点は吹き飛ばす面白さと不気味さが素晴らしい。
 今回の肝となるのは《家族ミサキ》というエピソードと考えられますが、これ自体にけっこう怖い背景があるのがまたインパクトが強い。こちとらまあまあ経験値を積んでいるので、投稿者の親族の話がある前に、その“秘密”は察知出来ましたが、だからと言って怖さが和らぐものでもない。何が怖いって、この話の通りであれば、そもそも発端となる映像が撮られた経緯自体がなかなかにおぞましいものになるから。私がここで繰り返し語っている、フィクションであっても許せる工夫、怖さがある。
 シチュエーション、展開ともに異質な《おひさしぶり》、この手のドキュメンタリーではときおり目にする検証が思わぬ事実に辿り着く《アナログテレビ》など、映像そのものの異様さでも、取材による掘り下げでも多彩な恐怖を演出していて、そういう意味でも見応えは充分。映像の出来を第一に評価するひと、取材による掘り下げや仄めかしがピンとこないタイプの人には物足りない、楽しめない可能性もありますが、個人的にはやっぱり、こういうのが怪奇ドキュメンタリーの真髄だと思うのです。
 こうした怪奇ドキュメンタリーの元祖と言っていい『ほん呪』が間もなく前人未踏の100巻に到達しますが、こちらにも是非ともそのくらい頑張っていただきたい……そんなにも、災いをもたらすレベルの怪奇映像が世の中に氾濫してる、という前提がそもそも怖いけど!

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