みんな廃屋が好きだねえ。[レンタルDVD鑑賞日記その773]

 11月30日に2021年9月リリースの『心霊闇動画57』を鑑賞。夜に公共施設の一角で遊んでいた友人たちの傍に恐怖が迫りくる《石を渡る》、自殺者達が映像に残した最期のメッセージに異様なものが映り込んだ《自殺の遺言》、廃屋に潜入したカップルを立て続けに怪異が襲う《廃屋の怪》など、全6篇を収録。
 ……《質問コーナー》がない、というだけでだいぶ穏やかな気持ちで観ていられる。怪奇映像が全体に安易、取材のなかでの掘り下げが足りない、という欠点があっても、そういう緩さに自覚なく得意げに語るくだりがない、というだけで、苛立ちは大幅に減るようです。そりゃそうだ。
 まあ、映像のクオリティ、シチュエーションの幅の狭さ、という意味ではやっぱり課題が多すぎる。映り込むのがたいてい気持ちの悪い手や顔、というのはちょっと考えて欲しい。あまりにも一瞬で、「たまたまそういう風に映ったのでは?」という疑いが拭えないのも問題。
 唯一、トリにあたる《廃屋の怪》は、シチュエーションこそ凡庸な“廃墟の探索”なのですが、つるべ打ちの如く怪奇現象が相次いで、ファインディング・フッテージもののホラーとしてはなかなか面白い……とはいえ、さすがに狭い範囲で異常なことが起こりすぎて、とうていリアリティが感じられないのはちょっと困りもの。最近の《心霊闇動画》シリーズのなかでは間違いなくいちばん手が込んでいるので、褒めてはあげたいのだけど、付き合えるほど嘘として巧くない。展開の割にオチが物足りないのもまた残念。せめて現地取材の様子くらい織り込んでくれても良かったと思うんだけどね。
 でもまあ、ときどきとはいえ、このリリースの速度でこういう工夫のあるエピソードも出てくるから、私としては切り捨てられないのです。そろそろ追いついておかないといかんな、と借りるペースを早くしてますが、それでも追いつく気配を感じません。11月30日現在で最新巻は71……このあと続けて借りても7往復かかる……。

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