本日の『3年B組金八先生』

 まさか1話で片づけるとは思っていなかった、伸太郎の給食費滞納問題。序盤はB組生徒たちが自発的に問題に関わっていく姿を描くことで成長を覗かせ、クライマックスではちゃんと金八らしい容喙っぷりで解決に持ち込み、最後にはちゃんと伸太郎の見せ場も残しておく。地味ですが非常に滑らかな展開で、安心感のあるエピソードでした。

 ところでこの金八先生、第一シリーズからずーっと小山内美江子氏が原作・脚本を手がけていたはずが、最近は脚本に清水有生という方の名前が記されていました。いったいどうしたのか、と今更ながら気になって、今日公式サイトを確認してみたら、原作者が準備期間中に患っていた病気療養のために、展開の目処が立った今年あたま放送分からバトンタッチしていたのだとか。

 なるほど、と思うのは今年に入ってから微妙に物語の組み立て方が違っていたこと、何より地味になったとは言い条、第5シリーズや第6シリーズにあった学校以外の描写における不自然さが大幅に拭われ、展開が非常に自然になっていること。昨年まででキャラクターが確立されているが故ではありますが、話の進行に無闇と教師や親を絡めず生徒たち中心にまとめ、肝心なところでのみ金八先生を登場させるといった具合にしているので、生徒たちの成長が自然に見えるようになりました。

 小山内脚本の無理すぎるがスラップスティックな部分がだいぶ削られていることで全体に大人しめの印象を与えていますが、個人的にはいまの雰囲気、非常に好きです。被疑者ですらない少年の追跡に回転灯をつけて街を走り回る警察だとか、どう考えても簡単に捕まりそうな言動ばかり重ねているヤクザが捕まらずにいるとか、それはやりすぎだろうと苛立たせられる点がないのが私にとってはいちばんのポイントかも。

 物語としての今後の興味は、完全に薬物中毒の泥沼に嵌りつつある丸山しゅうをどう救い出していくのか、という点。そろそろ手をつけないと、進路を決める時間すらなくなりそうなんですが……

コメント

タイトルとURLをコピーしました