大つけ麺博に導かれて、麺屋 中川會錦糸町店初訪問。

 11月29日、『宇崎ちゃんは遊びたい』の先輩の誕生日に、錦糸町にある麺屋 中川會 錦糸町店を訪れました。

 実のところ、存在は前から知ってました。錦糸町で映画を観る際、ネットで界隈のラーメン店を探すと、だいたいこのお店が候補に挙がってくる。ただ、人気店は並ぶのが常である、というイメージと、最初に調べた印象では駅からやや遠く、帰りが遅くなるのを厭って避けていたのです。
 が、先月の大つけ麺博で出店していたので、そこで初めて食べてみた。王道ですがクセが少なく非常に食べやすい、そしてカレー粉を投入して実質カレーつけ麺に味変できるアイディアまで非常に好みだったので、これは実店舗にも足を運ぶ価値はある、と思った。
 よくよく調べてみると、客の入りはいいけれど、そこまで待ち時間は生じないようなので、遂に訪ねてみる気になったのです。普段、日本橋で鑑賞している午前十時の映画祭12を、このときの作品に限って錦糸町の劇場で観て、それから訪問……近くに映画館がある限り、ついでで通うのが私のルール。
 やや解りづらい場所にありますが、ストリートビューで下見していたので、スムーズに到着。口コミ通り、満席に近いけれど、ちゃんと空席もあって、あっさりと着席出来ました。

麺屋 中川會錦糸町店の味玉濃厚魚介つけ麺。

 いただいたのは、味玉濃厚魚介つけ麺。デフォルトに味玉を添えたメニューです。
 ベースは大つけ麺博のメニューと一緒で、定番の極太麺と、豚骨魚介のつけ汁。違うのはチャーシューが2種類ついていて、ひとつは王道のよく煮込まれたチャーシュー、もう1枚はローストポーク。麺には他にカイワレと、長いメンマが添えてあります。味玉も麺のほうに乗せてあって、つけ汁には追加の魚粉と、刻んだネギが浮いているだけ。
 麺はもちもちで小麦の風味も豊か、定番の豚骨魚介つけ汁との相性は抜群。大つけ麺博で食べたものより濃度は高そうですが、あちらと同様、濃厚な風味だけど過剰に尾を引かないスッキリとした余韻――ただし汁が濃いので口の中に残るし、唇にも付着しますけど。家に帰ってマスクを外したら、まだ唇がベトベトしてました。それが嫌な方はどこかでちゃんと口を拭こう。
 チャーシューはやっぱりローストポークの方が特徴的。もちもちと弾力があって、普通のチャーシューより肉の味が堪能出来ます。脂とタレの風味が染みこんだチャーシューとのコントラストも絶妙で、この取り合わせは実に快い。
 ちょっと期待していたのですが、大つけ麺博と同様の味変を可能にするカレー粉は卓上にはありませんでした。実はこのお店ではひとつの売りとして《カレ変ライス》というメニューがあり、麺を食べたあとで投入すると、豚骨魚介風味のカレーライスに味変、というか完全に違う料理に出来る。しかし、基本的に健啖家とは程遠い私からすると、麺の並盛200gでもけっこう重いので、少量とは言えライスを投入するのはキツい。そんなわけで、大人しく普通のスープ割りにしました。
 ……それで完飲してしまったら、カレ変ライス頼むのとそこまで違わなかった気はするが。だって、濃厚だけど口当たりはいいし、スープ割りを入れたら劇的に飲みやすくなって、止まらなくなるんだもん。卓上にあるスープ割り専用の柚子チップも、程よく酸味と歯応えを追加してくれるし。

 個人的に、この手の魚介つけ麺でいちばんのお気に入りはつじ田なのですが、それに続くぐらい好き……あくまで個人的な好みとして、途中に口当たりを爽やかにしてくれるすだちという薬味が付いてくるあちらのほうが私には有り難いのです。とはいえ、間違いなく今後、錦糸町に来たときに立ち寄る場所の候補に入れると思う。

麺屋 中川會錦糸町店、店頭の様子。

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