1月7日に、2021年8月リリースの『Not Found 45-ネットから削除された禁断動画-』を鑑賞。動画配信者が自転車で心霊スポットを訪ねた際に遭遇した恐怖《絡まったものは》、10年以上前に撮影されたと思しい不可解な物体を巡る記録《スタージェリー》、自殺が相次ぎ心霊スポットと呼ばれるようになった橋を訪ねたレポート《最恐心霊スポット突撃》、会社のビデオカメラに残されていた謎の映像が撮影された背景を探るスタッフが目撃した恐怖の一部始終《ある廃村》など、全6篇を収録。
数多ある怪奇ドキュメンタリーの中でも唯一無二の作風を完成させた、という意味では評価してるんですが、そのイロモノ集が私にはどーしてもしっくり来ず、鑑賞するペースが落ちていた……んですが、今回「どうした?!」と大声で問いかけてしまいそうなほど、目覚ましく出来がよくなってる。
ラインナップは概ねいつも通りなんですが、まず配列が違う。いつもなら、怪奇現象なしのただグロテスクで危険な映像がトップに来るのですが、該当する《ドライアイスチャレンジ》を途中に持ってきて、冒頭から《絡まったものは》でかなりインパクトの強い怪奇現象を見せつけてくる。そして、前後篇の長篇《ある廃村》で、怪奇現象に遭遇する強烈なレポートで畳みかけます。
背景の調査ならそんなに真っ暗になってから行かんでも、とか、それを見つけたらもうちょっとビックリしたり警戒したりしたほうがいいのでは? という具合に気になるところは幾つかあれど、単純にホラーとして観ていられる。
久々の心霊スポット突撃シリーズも収録されていますが、こちらは現場に残された惨事の記憶を辿りながらも、カメラの前では明白な異変は起きない。けれど、夜にそこを訪ねたときの雰囲気、怖さはちゃんと伝わってくる。特に評価したいのは、旧作ではしばしば見られた軽薄な会話があまりなかったこと。実はこれがけっこう大切で、スタッフはもしかしたら「私たちのキャラクターが出た会話も見所」と思っているのかも知れませんが、限度があるのです。本篇くらいなら、本筋への興味を削がずに済むので、充分に許せる……長篇の冒頭における、取材前のやり取りはちょっとかってしてもいいのでは、とは思いましたけど、その程度。
このレベルが続くのなら、引き続き追ってみたい……いつまで続くのか解りませんけど。
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