この音楽は、きっと200年後も残る。

 今日も今日とて映画鑑賞のため、朝からバイクにてお出かけしてきました。行き先は日比谷。出発に手間取ったため、駐車場が埋まっている可能性を危惧しましたが、今日はセーフでした。
 TOHOシネマズシャンテにて鑑賞した本日の作品は、多くの同業者、映画監督、演奏者から崇敬を集めた“マエストロ”の実像を、本人も含めた多くの証言と、参加した映画作品、その演奏シーンにて描き出したドキュメンタリーモリコーネ 映画が恋した音楽家』(GAGA配給)。監督は、『ニュー・シネマ・パラダイス』から組み続けてきたジュゼッペ・トルナトーレです。
 まず度胆を抜かれるのが、出演者の凄さです。タランティーノとかダリオ・アルジェントといった実際に組んだ監督はもちろん、多くのミュージシャン、評論家が登場し、細かに証言を重ねていく。個人的には、パット・メセニーからクリント・イーストウッドと続けて出てきた時点でニヤニヤが止まらなくなってしまった。マスクしてて良かったよ。
 本人は2020年に亡くなっていますが、生前に撮影された本人による証言も交え、主観、客観双方を折り重ねるようにして、彼の生涯を時系列に添って辿っている。父に強いられてトランペット奏者となり、家計を支えた若き日から、本格的に音楽を学ぶべく尊敬する作曲家に師事するも、エリート揃いだった同窓に対するコンプレックスを抱き、やがて映画音楽で人気を博しても、評価されないジレンマに苦しみ。それでも、どれほど小さな作品でも創意工夫を怠らない音楽家としての矜持を守り続けた。
 そして現代に至り、タランティーノからはモーツァルトともベートーヴェンとも賞賛された才能が、世界中で認められていたことが証明されていく。近年におけるアカデミー名誉賞、そして『ヘイトフル・エイト』の作曲部門受賞で起きた拍手喝采と、受賞コメントの意味が、本篇で綴られた背景と合致したその瞬間の昂揚感は秀逸。それだけドラマティックな音楽人生だったわけですが、ドキュメンタリーのかたちでもこんな風にドラマとしてまとめ上げたトルナトーレ監督はさすがだと思う。
 もうちょっとモリコーネの名曲をじっくり聴かせてくれるパートがあっても良かったかな、という嫌味はありますが、その魅力と凄さは充分すぎるほど感じられました。朝にスクリーンのある4階に行くと、さっそくサントラらしきCDを買っている人がいて、どうやらそれが最後の1枚だっようですが、そりゃ売れるよ。手許にけっこう音源がある私も、在庫が残ってたら悩んでました。ちなみにサントラだったかどうかは不明。近年に本人の指揮で行われた演奏のCDだったかも知んない。

 昼食は何にするか思案し、またぞろつじ田でテイクアウトしていこうか、と思ったのですが、電話してみると、混雑でちょっと待ち時間が長くなっている。既に13時近いので、諦めてそのままバイクを出した。ファストフードに寄ろうにも、選んだルートにあるお店でしっくり来るところがなかったので、けっきょく家に帰り、取り置きのカップ麺で昼食を済ませました。

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