ヘアコンディショナーのCMみたいな出方してるのがいた。[レンタルDVD鑑賞日記その872]

心霊曼邪羅8(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 7月20日に、2018年5月リリースの『心霊曼邪羅8』を鑑賞。事故物件に引っ越した友人が降霊術を試みた際の恐怖体験《かごめの交霊術》、サプライズで友人宅に向かう途中、歩道橋から身を投げようとする人影を目撃した撮影者が不可解な目に遭う《自殺者の遺恨》、ハイキングで分解された人形を発見した女性ふたりを襲った怪異《バラバラ人形》など、全11篇を収録。
 基本は先行作が築きあげたパターンでも、エピソードごとにきちんと緩急や軽い展開があって、ショートホラーとして楽しめる水準を保っている……が、さすがにここに来て、パターン化が酷くなってきた。カメラでいちど映したはずの場所にもういちどカメラを向けると不気味な形相の女、でざっくり括れてしまうエピソードが多すぎます。スタイリッシュに髪を振りあげてみせるとか、“だるまさんが転んだ”みたいな登場をするとか、出没の仕方に若干のバリエーションはありますが、きっかけが一様すぎて、驚きや怖さより、“来た来た”という気分になってしまう……それでいい場合もありますが、多すぎるのはどうなのだ。
 また、この巻だけなら気にならなくとも、シリーズを順繰りに観ていると、このシリーズならではのパターンに填め込まれてしまった部分を多く感じるのも残念。終盤に近い《バラバラ人形》が典型です。山中でバラバラになった人形を発見して、怪異が襲う、というのはちょっと風変わりでも、不気味な人形と、それに関係するかもしれない怪異の出現、という流れは前の巻にもあった。繋がりを仄めかしている、という捉え方も出来ますが、だとするなら、採用するうえでもうちょっと調査したことが解る描写が欲しい。映像からは想像しにくい悲劇が起きたことを仄めかしてる割には、その原因かもしれないものに無頓着すぎるのが、物足りないのです――このエピソードこそ、曲がりなりにも取材を加える『心霊盂蘭盆』で扱うべきではなかっただろうか。
 このあいだ鑑賞した『心霊闇動画』のように、ほとんどホームビデオばっかりになっているよりはよほど変化も見応えもありますが、シリーズを順繰りに観てくると物足りなさのほうが強まってくる。そろそろ、こっちのシリーズも怪奇ドキュメンタリーのほうへ移行するべき時期だったのではなかろうか。

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