12月16日に、2024年12月リリースの『心霊闇動画94』を鑑賞。公園で遊ぶ親子が奇妙な体験をしたあとで撮影したという不気味な映像《落ちていたボール》、実家から送られた米を精米しているときの奇妙な出来事《コイン精米機》、夜更けの公園で戯れる恋人同士の映像に紛れる怪異《怪公園》など、全6篇を収録。
こういう怪奇ドキュメンタリーは、映像とナレーションやテロップだけで済ませるより、投稿者や関係者へのインタビュー、現地取材などで掘り下げることで魅力を増す、と私は考えている。このシリーズは映像とナレーションだけ、というのも多いですが、近頃は投稿者へのインタビューが入っていることも増え、内容的に膨らみは増してます。
ただ、このスタイルの効果に味を占めたのか、映像とインタビューで語られる前後の出来事とが乖離してしまうことも多い。今巻はその傾向が特に顕著で、映像に記録されたことと、その後の展開が無縁でないかも、と思えるのは巻頭の《温泉旅館の廊下》と巻末の《怪公園》くらいのもので、《落ちていたボール》、《うさぎ》、《流木》、《コイン精米機》はインタビュー内容が、映像と関連性が見出せないものが多い。
特に《落ちていたボール》なんて、奇妙な出来事が起きた“あと”に回しているのだからより奇妙です。これ、子供と遊んでいるときのエピソードで、語るような出来事があったのなら、その現象自体を撮影する方が自然ですし、仮にそのあと普通に遊んだとしても、この時点から撮影しよう、という発想に及ぶのが理解出来ない。たとえ撮影を始めたとしても、奇妙な現象をちょっとぐらい記録してみよう、という気になりませんか……?
このエピソードに限らず、現地で取材を行って、関係のある出来事がないか、話を証明する映像がないか、調べるようなくだりがあれば、投稿映像とエピソードの繋がりを示唆することも出来るでしょうけれど、基本的にそういう努力はしていない。リリースのペースが速く、1巻の1エピソードにそこまで割く予算も労力もない、と言われればそれまでですが、だったらペースを落とした方がましではなかろうか。
インタビュー部分がそれなりに面白いので、まあ観てはいられますし、私はそういうところにツッコむのが趣味なので、引き続き借りてはみますが、シンプルに映像の真に迫った不気味さを楽しみたい方は、たぶんどんどん離れていく。本当に、そろそろ作り方を見直すべきだと思う。
映像より話が面白いのもどーなのか。[レンタルDVD鑑賞日記その924]
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