4月15日に、2025年3月リリースの『封印映像75 雛人形』を鑑賞。夫が複数のマッチングアプリを利用している、と知った投稿者が《円満の秘訣》、男の声が聞こえてくるという噂のあるトンネルで投稿者たちが行った《度胸試し》、本物の心霊物件だという一軒家を購入した配信者の不気味な記録《譲りたくない家》、借りた民泊での恐怖の体験を記録した表題作の全4篇を収録。
登場人物たちの明らかな芝居臭さと、展開から完全には取り払えない不自然さという弱点はず~っと残っている一方で、怪異の内容とか展開はけっこう面白い、と思っているシリーズです。今回はその意味で、かなり見応えがありました。
まあ。文句を言えば、色々と言えます。
たとえば《円満の秘訣》は、投稿者の夫が何故マッチングアプリを利用していたか、という動機はなかなかの着想なんですが、なんでそれに気づいたか、という点が曖昧なのが気になります。伏線はありましたし、妻としてはそういう発想に辿り着くのも理解は出来ますが、もうちょっと思考的な裏付けが欲しいところ。あと、そもそもそういう理由だと察したのなら、なんで投稿したのか、という謎も生まれてしまう。《度胸試し》はそもそ“心霊スポット”として定着する要件が不足しすぎているし、《譲りたくない家》はこの状況ならあり得る周囲の反応が感じられないのが引っかかる。
しかし、それでも今回は、怪異の背景としては粒揃いと言っていい。《円満の秘訣》は怪異の背景における発想もいいが、結論のもたらす厭な余韻が素晴らしい。表題作は、趣向的にはホラーでしばしば見かけるものだが、描き方は面白い。
今回、個人的に白眉と思うのは《譲りたくない家》だ。配信にハマって、とんでもない方法を選んでしまった男性の顛末、という体裁だが、過程自体が異様で惹きつけられる。結果として、怪奇映像自体はほぼ映っていない、取り上げられた箇所も何が映っているのか解りにくい、という事実があっても、展開そのものが不気味で見応えがある。
つくづく、もっと人物の挙措の描き方や、リアリティへの配慮がもっと丁寧なら、と惜しまれますけど、それでも今巻はかなり上出来でした。せめてこのくらいは維持して欲しい。
負の念が人を壊す。[レンタルDVD鑑賞日記その939]
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