爆笑問題withタイタンシネマライブ#87 at TOHOシネマズ日比谷。

 2月9日の映画鑑賞のあと、日比谷ラーメンアベニューで早めの夕食を摂ってからTOHOシネマズ日比谷に戻る……それにしても、しばらく来ないあいだにラーメンアベニューの1店舗が閉まってたのね。私自身、あんまし食べたことのないところだったけど、無くなるとちょっと残念。

 それはともかく、この日の本題である、爆笑問題withタイタンシネマライブ#87です。このところ、上映開始時間が他の作品と重複しているせいでコンセッションが大渋滞し、飲食を買う時間がなく手ぶらで飛び込む、ということが続いていましたが、そのつど苦情を入れていたからなのか、この日は上映開始時間が適度にばらけていて、コンセッションの混雑はだいぶ緩やか。ちょうどポップコーンセットがサービス価格の日だったので、久々にセットを購入しました。
 本篇前の特別映像は、毎年恒例の長篇漫才『爆笑問題のツーショット』最新作のDVD発売&配信開始の宣伝映像。毎回このシネマライブに駆けつけるくらいにはファンですが、『~ツーショット』はちゃんと観たことがない……そろそろ1回ちゃんと観よう。
 トップバッターはしびれグラムサム。相方が教えてくれた美味しい店が解らない、というフリからの漫才。ちょっと替わったツッコミ方が特徴のコンビですが、だんだんこのツッコミを巧くネタに馴染ませてきてます。2番手は久々登場の双子コンビ、ひらおか族。双子ならではのネタ、といえば有りがちに思えるんですが、更にひとひねりしている。彼らなりの自虐ネタ、と言うべきか。3番手は春とヒコーキ。現代の“ジャーナリズム”を斬る、と言えばカッコいいですが、このコンビならではの知性を滲ませながらも、いい意味で馬鹿なネタ。こういうのは好き。
 4番手はネコニスズ。このところ、長髪にした相方が気持ち悪い、というワンテーマをずーっとイジり倒してますが、思いのほかバリエーションが尽きない。今回は“演技力”で突いてきます。長々としたフリからの終盤の説得力は見事。続いてはシティホテル3号室。書道パフォーマンスの指導、というシチュエーションをだいぶイヤーな目線で斬ってます。完全に偏見だと思う、けど妙な説得力があるのも事実。巧いところを突いてる。続くまんじゅう大帝国は、普通にある2択の質問のお約束を逆手に取ったネタ。双方共にボケまくるネタから次第に正統派のボケツッコミへと回帰し、ここに来てその双方の面白さを取り込んだ形になってきてます。
 まだまだ続くタイタンメンバー、お次はダニエルズ。結婚20周年でハワイ旅行に出かけた夫婦を襲う悲劇、というネタ。これはとても目の付けどころがいい。海外旅行についての知識がないとピンと来ない可能性はありますが、少しでも知ってると頷けて笑える。あさひの女装、というコンビならではの武器もちゃんとハマってます。続いてはキュウ。このコンビは果てしない言葉遊びと、双方が常軌を逸していく異様さが面白さですが、今回は清水のクレイジーさが強烈。笑いつつちょっと恐怖すら覚えます。本人も情緒が破壊されるんではなかろうか。お次の脳みそ夫は久々に映像を使わず、身ひとつで《パスタJKペペロンチーノ》に分しての小ネタ祭。久々だからか、或いは中継元である時事通信ホールによほどのゲラがいたのか、けっこう受けてたな……。
 ここでようやく最初のゲスト、かが屋。個人的には最近の若手でいちばん好きなコンビです。東京03にも通じる、親近感に程よい異質さが混じる緻密なネタ作りがとても好み。今回は、ピザ屋の遅刻、というありがちなネタに、こちらもありがちなキャラ造形から一気に彼ららしい笑いへと惹き込んでいく。本当に安定感があっていい。……五日単独公演観に行きたいな。
 ゲストふた組目はランジャタイ――吉本の問題児です。基本的にまともなことをしないので、観客と噛み合わないと雰囲気がヤバくなる危険すら孕んでるコンビですが、ここのライブは中継元の客の度量が大きいからか、かなり見事にハマっていた。私個人としても、彼らのネタでいちばん笑ったかも知れない。終始意味不明なのに、笑いとしての構成は出来てるしなあ。
 3組目のゲストはインスタントジョンソン。昔のクイズ番組には合ったかも知れない風景を、定番の手口を使いつつ巧みにイジります。ちゃんとそこに時事的な趣向も含まれているのが熟練の業、という感じ。
 タイタンメンバーの大トリ前は、もはや若頭筆頭となったウエストランド。自分たちの世代はアイドルに恵まれていた、というちょっと意外な導入でしばらく泳がせておいて、途中から井口のいつものやり口になだれ込んでいく。ぶっちゃけ、泳がせてる段階から匂ってはいましたけど、素直に笑ってしまった……実際、井口の言うとおりだし。M-1優勝から時間が経ち、貫禄とともに実験性が蘇ってきたようです。
 大トリ前はお馴染みのBOOMER&プリンプリン……私は彼らをゲストだと思ったことない。《頂き女子りりちゃん》という、まだ記憶に新しい時事を採り上げてますが、やっていることは毎度のおじさんホストクラブである。特筆すべきは、珍しく伊勢の談志物真似がなかったことと、うな加藤による《りりちゃん》の見た目が重いほか似てること。体型はおじさんだけど。
 そして大トリはいつも通り、爆笑問題。今回もネタが多くて往生していたのがネタの流れからも窺えます。『不適切にもほどがある!』や大谷翔平の寄付の話など明るい話題が多少はあるのが救いになってます。……それにしても、田中さんのツッコミはほんとーにときどき冷淡よね。受けてるからいいけど。
 エンディングトークは今回も全員登壇です。最初はタイタンメンバーだけのはずなのに、しれっと混ざったり、自分たちの出番で本来とは反対側から入ってきたり、と相変わらずランジャタイが変なことをする……かと思ったら、田中裕二にマイクを持たされた伊藤が随所でマイクフォローをしていて、意外に真面目なところを露呈するのに笑ってしまった。だいぶ盛り上がりすぎたせいで、博多での上映が次回から別の劇場に移ることとか、震災の影響で営業停止していた富山の劇場が4月から再開見込みなので次回はふたたび中継が出来る、という大事な報告が駆け足になってました。
 その次回のライブは4月19日です……もうあんまし深刻な事態が起きませんように。

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