爆笑問題withタイタンシネマライブ#94 at TOHOシネマズ日比谷。

 というわけで、きのうの続き。
 食事を摂ってもまだ上映開始まで小一時間くらいある。本屋でも覗いて時間を潰すか、と考えて――一瞬、イヤな予感がした。なので、早すぎるけどTOHOシネマズ日比谷へ。
 早くなんかありませんでした。劇場内、激混みでした。
 たぶん概ね、本日封切りの『劇場版 名探偵コナン 隻眼の残像』のせいである。いちおう開場時間は細かく分けてますが、コンセッションの行列が無茶苦茶伸びてる。時間帯的に、軽食も買わずに鑑賞していたら、途中で目が回りかねない。列の長さから考えて、このくらいは必要だろう、と判断して、シネマライブのスクリーンが開場するであろう時間の30分くらい前を目安に並んだ。
 ……ほんとに、30分かかった。
 ただこれ、客の多さのせいもあるでしょうけれど、従業員のオペレーションが整理されてないせいもあると思いました。だって、私はシンプルなポップコーンセットだったのに、異様に時間がかかりました。レジを担当した従業員がポップコーンを用意しに行った、と思ったら、何故か横から別の従業員が出してくるし、レジ真横の什器で提供できるはずの爽健美茶がなかなか出てこない。その合間に、明らかに従業員の手が空いているのに、こちらの会計を済まそうともしません。何なら私は、待機列の先頭についた時点でコード決済の準備をしてたというのに。
 おまけに、私が注文したとき、ポップコーンにオイルをかけてもらうようお願いをしていたのですが、あまりにも変な動きをしているせいで、提供した従業員がちゃんとそこを理解していたのか不安になった。なので、異様に要領の悪い動きも含めてクレームを入れて、オイルだけかけてもらう……つもりでしたが、先方から交換を持ちかけてきた。もうそこで食い下がるのも面倒なので、素直に交換してもらいました。
 ともかく、この週末や連休中に映画館に行く方は、予めコンセッションで並ぶ時間をかなり余分に確保することをお薦めします。夕食を手早く済ませて、さっさと劇場に来てて良かった……。

 本篇前の特別映像は、『タイタンの配信』のCM。今年の頭から軽くブレイクした感のあるネコニスズの漫才を、過去から順番に抜き出している……昔は、ヤマゲンの強めのツッコミが印象の強いだけで、ちゃんとした漫才やってたんだよなあ。だんだん舘野が気持ち悪くなっていき、赤ちゃんキャラに辿り着くまでのダイジェストは、まあまあ長いことこのイベントを楽しんできた者には感慨深い。
 一番手はしびれグラムサム。雑学を軸にしたよくあるネタですが、構図が一ひねりしてあってかなりまとまってる。特徴的すぎるツッコミの回数を絞り込んだことで、効果も高くなってます。“売れてる”とは言えないけれど、成長は確かにしている。
 続いては初登場のタイタン若手ピン芸人、阿部物語。どうやら基本的には一発ギャグを売りにしたいらしい。しかし、それをねじ込むための枠組が巧く出来てて、ネタとしての仕上がりはなかなか。エンディングトークの様子では、ギャガーなのは事実らしいので、ギャグそのものが受けてないのに納得がいっているのかどうか。でも、タイタンにはギャガーはあんましいなかったので、そこは期待したい。
 3番手はまんじゅう大帝国。漫才ではあるけれど、今回はほぼずーっと、ステーキを食べに行く、ワンシチュエーションでの演技なので、ほぼコントです。しかし、このコンビの持ち味はしっかり出たネタになってました。
 お次は、オープニングで過去のネタを晒されたネコニスズ。舘野の赤ちゃんキャラ、最初はずいぶんブッ飛んだ方向性に行ったなー、と思ってましたが、最近どんどんいい感じに熟成してきました。今回は、赤ちゃんがいればどんな場でも和む、という舘野の主張を、仮想のシチュエーションで検証する、という趣向。舘野の赤ちゃんキャラはもちろん、ヤマゲンのキレ突っ込みと演技力が活かされた、コンビとしてうまく練られたネタでした。ただこのネタ、テレビではかけにくいのではなかろうか。
 5番手は春とヒコーキ。バイトのバックヤードでの会話、というシチュエーションでの会話劇。あり得そうな状況に、あり得そうな急展開を採り入れる一方で、意外な方向からの笑いを誘ってきます。よくよく考えると、ものすごーく常識的なことなのに、それが笑いになる、という着眼点と活かし方が見事。
 6番手は個人的な贔屓のキュウです。今回もまた私にとってツボでした。ぴろが、スポーツ観戦が好き、というところから話を切り出して、違和感のあることを喋るけれど、清水のツッコミが誤解を招いて、どんどん複雑になっていく。難点は、ピンとこない人にはず~っとピンとこないまんまで終わりそうだ、ということ。しっかりと練って、稽古もそうとう重ねたネタなのだと思うけれど、どーしても人を選ぶのよね。M-1優勝は難しそう……。
 <お次は最初のゲストはタイタンライブ初登場、センチネル。日本人とウガンダ人のハーフである、というトミサットの風貌を活かし、アフリカの国の貧困をテレビで知った人が衣料を寄付しに来る、というシチュエーションのコントです。薄々、こういうことはあるだろうな、というのをはっきり言っちゃうだけ、とも言えますが、ちゃんとネタとして成立してる。唯一残念なのは、オチの繋がる小道具の見せ方が不十分で、いまいち伝わらなかったこと。でも過程が面白かったので良し。
 タイタンメンバーに戻っての8番手はシティホテル3号室。今日日ありがちな個人情報漏洩の謝罪、というシチュエーションに、極端なひねりを効かせている。どんどんあり得そうなあり得ないような不思議な事態になっていくのがおかしい。リアクションと単語の選択にもセンスが光る。
 再びのゲスト枠は、こちらも初登場のママタルト。最初は大鶴肥満の「まーごめ」で名前を売った感がありますが、コンビとしてはその掴みを活用しながら、依存してない。ただケーキを買う、というだけのシチュエーションを、細部に特異なキャラ性をちりばめて笑いたっぷりに演じてます。
 10番目はまたタイタンメンバーより脳みそ夫。《ミヤビーマートのいとおかし》と称して、平安貴族だってコンビニでバイトする、という設定の、いつもながらの駄洒落コント。個人的には一時期の、映像を活用したネタのほうが好きだったんですが、この一人芝居のほうがウケがいいのかやりやすいのか。
 続いてはまたしてもゲスト、こちらも初登場、というのが意外な真空ジェシカ。とにかくこのコンビは世界観がブッ飛んでる……厳密には川北がどうかしているのですが。この勢いでぶつかったら脳みそが飛び出す、というあたりからもう異様ですが、終盤の展開はもう気持ちの悪いファンタジーです。好き嫌いはともかく、唯一無二なのは確か。ちなみにこのネタ、冒頭からタイタンシネマライブに引っ掻けた趣向が出てくるのですが、今回のために用意したのではなく、8年くらい前からやってたんだそうです。お笑い好きな客しかいないような会場でかけていた、とは言い条、よくやるものだ。
 ここでタイタン若手のトリ、ウエストランド。河本が、「テレビには夢がある」と語り出すところからもう既におかしいのですが、そこからの井口の爆発っぷりに、ああ彼らは本当に売れたんだな、と実感させるものがありました。井口が売れすぎた反動で、ウエストランドとして営業に稼働出来るのが日曜日だけになったそうで、エンディングトークで河本が「仕事ください」と懇願するところが真のオチだったかも知れない。
 大トリ前は、今回はユニットではなくBOOMER単独。とはいえ、基本的に古くさいネタをやってるのはいつも通り。例えシチュエーションが『東京リベンジャーズ』舞台版のオーディションだとしても、ほんとにいつもと同じです。違うのは、談志のモノマネを入れなかったことくらいだ。
 そして大トリ、爆笑問題。広末涼子の1件から始まり、トランプ大統領の暴走や大阪万博まで、社会問題を数珠つなぎにするスタイルですが、正直、太田がボケのところでがっつり噛んだのがいちばん印象に残ってしまった。
 だいぶ時間を残したので、今回のエンディングトークはたっぷり。話題については、ここまでの記事でちりばめてますが、いちばん強烈だったのは、真空ジェシカのガクが現在、何故か金髪ボブのカツラになっていたことと、キュウのぴろにライブのフリートークで用いる決まりネタがあった、という事実を初めて知ったことでした。シネマライブで見るようになってもう数年経ちますけど、そんなやったことなかったじゃないか……!
 次回は6月13日。いよいよ夏に突入……とは言うものの、今回ですら半袖でも間に合いそうな陽気ですから、果たしてどこまで暑くなっていることやら。むしろ梅雨寒であってくれ。

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