早めの夕食のあと、本題であるタイタンシネマライブです。
TOHOシネマズ新宿は久しぶりだけど、日比谷に劣らぬ混雑。しかも、日比谷より人が好き勝手に歩いている感じで、まあ行動が取りにくい。コンセッションの列は他のTOHOシネマズと同様、レジごとではなく、統一するスタイルになってましたが、それでもかなりの列の長さ。夕食が手早く済んだので、まあ間に合うだろう、と列に着いたものの、ドリンクを買い入場出来たのは、本篇10分前でした。まあ、劇場限定の特別映像には間に合ったから良し……ハシゴしなくて良かったかも。
本篇前の劇場限定映像は、タイタンの配信のCM。タイタン若手が出演するTitan Live Rheaより、シティホテル3号室のネタの名場面を抽出したものでした。このコンビはけっこう一貫した作風を保っているので、これだけ観るとず~っと安定してます。もうちょっと売れてほしいなー。
トップバッターは若手ピン芸人、鎌。指名手配犯を見つけたカップルの男側目線で、奇妙な説得を繰り広げる話。序盤は、面白いけどやや反感を抱く内容だな、と思ってたら、随所で巧い捻りを入れて、うまく仕上げてます。
お次はまんじゅう大帝国。テーマはワールドカップ……ですが、だいぶ想像の斜め上を行くやり取りに笑わされます。このところ、田中がちゃんとツッコむ基本的な漫才スタイルが多くなってましたが、今回は双方ほぼボケ。もともと器用で、基本をしっかり押さえてるコンビではありますが、私はこういう方が好き。
3番手は春とヒコーキ。研究者が被験者を相手に超能力の訓練をする、というよくSFで見るようなシチュエーションですが、そこに「そりゃそうだ」と言いたくなる趣向が含まれてる。ここも初期から完成度は高かったコンビですが、よりクオリティは上がってます。
続いては久しぶりの登場、松尾アトム前派出所。いつもながらのリンゴ農家漫談――と思わせつつ、“農村のスーパースター列伝”と称して、身近の傑物を紹介していく、というスタイル。ネタの合間にいちいち助手という人物が現れ、巻物でスーパースターの属性、或いは名前そのものを披露する、という謎の趣向が加わっていることを除けば、根っこはほぼ一緒。微妙に滑っている感じも含めて、いやではない。
5番手はネコニスズ。相変わらず舘野の奇妙な“赤ちゃん”キャラで展開していくのですが、そこにヤマゲンが、相方であるからこその切り込み方をしていく。ネタとしてはだいぶ仕上がってきてるけど、確かにヤマゲンだけがスタンスを変えてないし、だからこそネタとして成り立ってる。このコンビはもうこれでいいような気がしてきました……本当に?
お次は、こちらもちょっと久々登場のダンシング☆谷村。モノマネ芸人を多く擁する芸能事務所の代表取締役でありながら、「ちゃんとしたお笑いがやりたい」と突如としてタイタンの学校に入学、芸人としてはタイタン所属になった、という変わり種。芸名通り、基本は谷村新司の扮装をしてステージに立っているのですが、今日は本来の姿で、スライドを使い、モノマネ芸人の営業エピソードを披露していくスタイルの漫談でした。恐らくはスライドのデータが1枚足りずに、その前後でわたわたしてましたが、全体としては面白かった。
7番手はシティホテル3号室。テレビ番組の収録前にマジシャンが共演者に、本番での行動を指示して去っていく、という、それだけでなかなか面白いシチュエーションですが、その先の展開は予想を超えてきます。違和感も無数にたたみかけて笑わせる、かなりのいいネタだと思うのですが、落とし方はちょっと再考したほうがいいような気がする。伏線はちゃんと張ってあるけれど、悪い意味でゾワッとします。
9番手、ではなく8番目に登場したキュウは、例によってゆったりとしたトーンで奇妙な世界を展開していきます。しかし今回、いつもと違うのは、清水ひとりがずっとクレイジーになってること。立ち位置はツッコミだけど、ぴろの奇妙なボケを膨らます方向にも動いて、奇妙な理論を展開していくのがこのコンビの常套手段なのですが、今回はひたすら清水がイカれてて、ぴろはまともでした。こういう特殊な構成にしても、ちゃんとキュウの世界観。やっぱり私はこのコンビのネタが好き。
本当の9番手は、脳みそ夫です。コーヒー豆の産業スパイ・キリマンジャロ美に扮し、お茶の会社に潜入して秘密を探る、という設定で転がしていきますが……終わってみると、1箇所、使い方が間違ってるところがあって、私はそこがずーっと引っかかったまんまになってしまい、前後の展開が頭の中から消えてしまった。ごめん。
お次は本日最初のゲスト、ストレッチーズ。老後は喫茶店を営みたい、という福島の語る営業スタイルの異様さに高木がツッコんでいく。さすがにうまく構成されてますが、本人もネタ中にちょっと気にしていたように、出てくる数字を客が追いきれないのがネックかも知れない。別に、すぐ理解出来なくてもいいとは思うんだが。
続いてもゲスト枠、現役弁護士芸人のこたけ正義感。彼らしく、一般人が知っている法律知識の曖昧さを指摘していくというネタ。しかし、爆笑問題絡みの表現を大量に投入し、きちんとこのシネマライブならでは、のネタに仕立てていた。落とし方まで含め、本当にここだからこそ通じるネタを組み立てる心意気に拍手。
12番手もゲスト枠、最近ノリに乗ってるバッテリィズ。今年はいっぱい稼げたので、ちゃんと税金のことを考えよう、という寺家の至極まともな提案に、エースがひたすら反発していく。とにかくエースは、バラエティ番組でも見せる振る舞いが本当に抜けていて、ネタ中の言動が真に迫っているから面白い。それでいて、現代ならある意味当然とも言える考え方を仕込んであるので、バカなんだけど気の利いた内容になってたりする。いいコンビです。
続いてはタイタンの若頭、ウエストランド。冒頭から井口が嘆いているかと思ったら、どうも本当に喉がやられる寸前で、点滴をしてきたらしい。実際に序盤から声のトーンが怪しく、河本にいつものトーンで切りこんでいくうちにどんどん綱渡りになっている。お陰で、河本の言動に対する苛立ちが余計リアルで笑えました、が、もうちょっと身体は労ろうね。
大トリ前は、いつもはユニットで参加だけど今回単独で登場のBOOMER。しかし、どー考えても前に見たことのあるネタであった……直後に爆笑問題の太田さんも言ってたけど、わざわざ単独で出てくるんだから、違うことすればいいのに。あるネタのところでは拍手まで巻き起こっていて、もはやお約束で成り立ってる。
そして大トリはいつも通り爆笑問題。いつも通りの時事ネタ、なんですが、ちゃんとネタを練ったあとで高市新総裁も含めたのに、女性総理大臣にネタを繋げていくはずが、公明党の連立離脱で予定が崩れた、と憤ってました。気持ちは分かる。そこから小泉進次郎陣営のステマ問題や各市長のスキャンダル、清水尋也の件を拾っていって、『ばけばけ』で締めた。
エンディングトークで印象に残ったのは、ウエストランド井口がNHK新人お笑い大賞で初めて審査員を務めるのに、当人含め誰も審査の方式を把握してなかったこと、こたけ正義感と太田光代社長のやり取り、そしてバッテリィズ・エースのニッポン放送で遭遇した事件の話。この人の抜けっぷりはもはや天才の域です。かなり貴重な人材。
今年最後となる次回は12月12日、シネマライブとしていよいよ98回目。来年2月は、タイタンライブとして30周年を数えるのを記念し2日間公演、これによりシネマライブもナンバリングが3桁に突入します。2日連続は、透析のスケジュール調整がなかなか厄介になりますが、2日やるならきちんと劇場に駆けつけるつもり……ただ、映画館くらいは両日で異なるところに行こうかな。
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