5月16日の映画鑑賞のあとの話。
この日の日本橋ふくしま館イートインは創作麺 やま鳶。ここは毎回、微妙にメニューが異なるので、ブログのネタを仕込むのに有り難い……もちろん、毎回ちゃんと美味しいので、試しに来ているわけでもある。 今回は4種類、珍しく、すべて見覚えがない。まぜそばはもしかしたら前に出していたものと一緒かも知れませんが、まだ食べていないので、記憶が明確ではないのです。
いずれにしろ今回選んだのは、福島地鶏 川俣軍鶏らぁ麺。白湯にも興味はありましたが、やっぱり醤油系をまず選んでしまう。
具材は3種の恐らくは鶏チャーシューとナルト、それに細かく刻まれたタマネギと、いつもながらにシンプル。なので、唯一可能なトッピングとして用意されていた特製味たまをプラスしました。
まずはスープを啜ってみる……正直、物足りない。軍鶏らしい力強い出汁の風味は感じますが、醤油の味わいあまり深みがない。不味いわけではないけれど、なんだかモヤモヤ。ここは麺はいつも中太のストレート、私は喜多方ラーメンの縮れ麺が好き、ということもあって、これも悪いわけではないけど、しっくり来ないまんま食べ進める。
ただし、チャーシューは美味しい。3つとも厚み、歯応え、しっとり感、脂の風味が少しずつ変えられていて、口にするごとに多彩な食感が楽しめる。クセのないスープが染みこむとけっこう調和して、箸が進みます。もしかして、こういうバランスを考慮してスープを作ってるのか?
この予感は食べ進むほどに確信に変わっていきます。だんだんスープの味に奥行きが出てくるのです。もともとそういう風にスープを層にしていた可能性はありますが、チャーシューを浸しているうちにその脂が溶け、更に掬い損ねたタマネギの密度が上がることで、優しく膨らみのある甘さと仄かな辛味が絶妙に調和した複雑な味わいに変わる。序盤は麺そのものの歯応えと小麦の仄かな甘みが主役だったのが、ある段階から麺が柔らかく、スープを吸い込むことで、完全に主役が入れ替わってる。
序盤は、これはもうひとつかな~、と思っていたのに、気づくと夢中で箸を運び、いつの間にやら完食。ここはスープの量が少なめで、完飲することが多いのですが、今回もけっこう躊躇なく飲み干していました。
意図しているのかたまたまなのか、は不明ですが、シンプルでも凝った趣向になっていて、これまでに食べた3種のなかではいちばん好き……ただ、それゆえに、初手にもうちょっと工夫が欲しかった、とも言える。世の中にはひとくちで解った気になって箸を置く失礼なひともたま~にいるので。
それにしてもこのお店、本当に“創作麺”の名に恥じず、毎回どこかしらメニューが違っている。ブログのネタにもしやすいので、今後ふくしま館のスケジュールをチェックするときは、まるやとと共にここも重点的に押さえてしまうかも。当たり外れもかなりありそうだが。
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