『まんが日本昔ばなし』第九回

 今年最初の放送、一本目は『初夢長者』。長者のところに奉公に出ていた小僧は、どんな初夢を見たかを話さなかったばっかりに家に帰され、親元も追い出され、海に流された挙句に鬼ヶ島に辿り着く……

 って、なんちゅー話だ。願いごとや縁起ごとを他人に漏らさずにおくと現実になる、というのはごく普通の前提ですが、誰がこんな風に転がると予測しようものか。小僧さんはそうとう信心深いか、意固地な人柄としか思えません。なんの教訓にもなりませんが、しかしひたすら楽しく目出度い話なのでした。……お嫁さんたち、よくこの状況を受け入れてるよな。

 二話目は『力太郎』。貧しさのあまり躰を洗う余裕もない夫婦が、お互いの垢を練り合わせて人形をこさえてみると、なんと力持ちの子供に仕上がった。すくすく育った子供・力太郎はやがて力試しの旅に出ることに。

 ……人物のデザインがみんなレレレのおじさんだ。というのはともかく、桃太郎などの英雄譚と似たような成り行きなのですけど、出だしのインパクトが凄い。なんで垢を固めて人形にしようと考えたのかも謎だし、それが動き出した理屈も不明。数奇な展開の面白さを楽しむ、という点では一話目と同じ。こんな話、いま作ったら怒られるよなー。

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