『サイレン FORBIDDEN SIREN』監督:堤幸彦/主演:市川由衣/配給:東宝 &初日舞台挨拶

 昨晩遅くの火事騒ぎで気分的に疲れたらしくいささか寝不足気味でしたがそれはそれこれはこれ、いつもと変わらぬ時刻に起床して毎週末恒例の映画鑑賞へ。本日はバイクにて六本木へ。

 作品は、きのうゲーム版を買ってきて遊び始めたばかりの『SIREN2』を原作としながら、映画ならではの音響・映像演出とストーリーで独自の世界を構築したスリラーサイレン FORBIDDEN SIREN』(東宝・配給)。出来は……シナリオ的には微妙。サプライズは確かに意外でしたが、それは観ているこちらの死角を衝いているからではなく、どう考えても理屈に合わない描写が多いから。たとえホラーだろうとサイコ・スリラーだろうと、狂っているなりの理屈が必要なのですが、そのへんをちゃんと押さえていないのが弱い。ですが、相変わらず小道具に拘った映像とスピード感に富んだ演出は見応えがありますし、何より全方向から気配が襲いかかってくる音響効果が絶品であり、劇場でこそ醍醐味を堪能できる、という意味で優秀な娯楽映画であることは間違いない。仕掛けが破綻しているとはいえ、筋運びやドラマ作りについては評価するべき部分も多く、欠陥はありながらも魅力のある作品に仕上がってます。詳しい感想は、「実はあんまり出番のない阿部寛。」からどうぞ。それでもあの存在感を醸し出せるのだから凄い。ちなみに本編の直前に『TRICK[劇場版]2』のスポットが流れますが、これが無茶苦茶面白いので、ファンは観るべし。

 終了後は舞台挨拶。かなり準備に手間取ったあと、テレビ朝日アナウンサー前田有紀の本当に拙すぎる司会でスタート。登壇したのは主演の市川由衣に、ゲーム版と共通する唯一のキャスト高橋真唯、医者役の田中直樹、ヒロインの無口で病弱な弟役の西山潤に、遠目にはやくみつるに似ていなくもない堤幸彦監督の五人。

 本当に司会が不慣れだったため全般に進行がギクシャクしてましたが、さすがは芸人というべきか、田中直樹が随所でフォローしたため、雰囲気はなかなかよかった。いちおうホラーということで出演者とスタッフで二度も御祓いを受けたのに何故か自分のところにだけ連絡が廻らなかったとか、監督も市川由衣も「怖かった」というクライマックスにおける鉄塔の場面の撮影では、危険を避けるためについていた警備が自分のときだけ異様に少なかった、と擽りを入れつつ、映画出演はおろか演技自体もこれが初めてだったらしく、まったく喋ることの出来ない子役・西山潤の代わりに撮影時のエピソードを披露したり、そのつもりはなかったのでしょうが結果的にいちばん目立ってました。ちなみに西山少年は別の質問がなされたときは、それまでのだんまりから一転、完璧にコメントして会場を沸かせました。……いや、いいのよ、それで。

 実はきのう、2月10日が20歳の誕生日だったという市川由衣のために、作中の鉄塔をモチーフにしたバースデイ・ケーキを用意して祝ったり、という珍しいイベントもあり、けっこう楽しい舞台挨拶でした。

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