『28ナイト』。

 ……と思ったけど取り急ぎ記しました。

 相変わらず切羽詰まっていますが、だからと言って気晴らしもせず映画も先送りにしてばかりだと却って気鬱が募るので、今年は行くと決めたら意地でも行く方向で考えております。そんなわけで、土曜日に何を観るか検討していたところ、たまたまこのイベント上映の存在に気づいたので選んだ次第。

 場所は、劇場スタッフの質の悪さからやや足が遠のいていた六本木。でもこういうイベントはマメにやる傾向にあるので、気がついたら行くつもりでいたのです。それに、近くにあるラーメン屋が結構私の舌に合っているので、たまーに来たいのもまた人情。そんなわけで、少し早めに現地入りして、ネットで購入したチケットを発券したのち、ラーメン屋で夕食を摂ってふたたび劇場へ。

 ものは何かというと、2002年にイギリスで製作されて世界的にスマッシュ・ヒットを放った『28日後…』の、同じ世界観で更にのちの出来事を描いた続編『28週後…』が19日に日本で公開されるのに合わせて、この2作品をまとめて上映する、というもの。TOHOシネマズ系列ではシリーズ物の新作が公開されるとこういうイベントを催しているので、その流れの一端ということのようです。通常はひと晩費やす企画なれど、僅か2本ということもあってか夕方スタートでどうにか0時前後には帰宅できそうだったため、思い切って鑑賞した次第。

 まずは原点、『トレインスポッティング』『ミリオンズ』など評価の高い作品をコンスタントに発表するダニー・ボイル監督による28日後…』(20世紀フォックス・配給)。実はこれ、最初の劇場公開時にはとても期待していたにも拘わらず見逃し、のちにDVDで観ているのです。出来が良かっただけに尚更劇場に行き損ねたことを後悔していたので、その意味でも好都合でした。やっぱり大画面&大音響だと、逃走劇の迫力がぜんぜん違う。……但し、5年程度なのにだいぶ映像が劣化していて、そこがちと残念。もともとこんなもんだったか? ちなみに、DVDで鑑賞したとき、折角なので感想をアップしようと、粗筋と感想のごく一部だけ書き上げてあったのですが、他の新作感想などに追われた結果ほったらかしになっていたので、この機に文章を足して、後日アップいたします。

 そして新作、『10億分の1の男』で注目されたスペインの新鋭フアン・カルロス・フレスナディージョが監督に就任して、いちど感染が止まったはずのロンドンを再度見舞う災厄を描いた続編28週後…』(20世紀フォックス・配給)。この監督の出世作は見逃してしまったものの、知性的な仕上がりが評判だったために結構期待をかけていましたが、予想以上に完成度が高い。広告にあるほど、“誰が感染しているか解らない”という脅威は描かれていませんが、前作で提示された要素を膨らませて非情な出来事を連ね、また随所で裏打ちのしっかりしたアクションや逃走劇を盛り込んでおり、前作の空気を完璧に引き継ぎながらスリルが増している。ハリウッド産の作品とはひと味違う、甘さのないクライマックスも出色です。個人的には、前作に敬意を表しつつも見事に乗り越えた傑作だと思います。

 鑑賞後は急ぎ帰宅しましたが、駅の入口は一部閉鎖されているし到着は遅いし……でやっぱり午前様に。

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