『ザ・マジックアワー』初日舞台挨拶つき上映。

 実は今年に入って初めての、出演者が登壇しての舞台挨拶つき上映の鑑賞です。この前はいつかと言うと、昨年12/22の『魍魎の匣』舞台挨拶。実に半年ぶりなのでした。晴れていたので本当はバイクで出かけたかったところですが、上映される日劇付近で未だに使える駐輪場を発見していないので、大人しく電車で移動。

 鑑賞したザ・マジックアワー』(東宝・配給)は、一大セットを設営して街ひとつを創造し、そこで繰り広げられる命を賭けた大芝居の模様をコミカルに緻密に描いた、三谷幸喜監督の最新作。CMでは“三谷幸喜最高傑作”と謳い、先月あたりから監督を中心にメインキャストがあちこちに露出、監督だけでも150ぐらいの媒体に登場して当人でさえいい加減うざったいだろう、と認識していたくらい派手に広告していた作品ですが、……観て納得しました。そりゃ気合入るわ。本当に、これまでの三谷作品の集大成であり最高傑作と言ってもさし支えないと思います。あらゆる描写がうまく噛み合って無駄がなく、ギャグも従来のように空回りしたり痛々しすぎる部分がない。上映中は随所で笑いが漏れ、終演後と舞台挨拶の登壇時になかなか拍手が鳴り止まなかったのも当然というものです。

 舞台挨拶は初回の上映後と二回目の上映前に行われましたが、私が参加したのは初回。成り行きで押さえたにしては、普通ならベストポジションと言わざるを得ない中央やや後方寄りの座席でしたが、正直、この日劇での舞台挨拶だけは、通路寄りのほうが良かった……だいたいここでは、客席後方の扉から入場してくるのです。客もそれを承知していて、後ろのほうを窺っていたのですが、司会の福井謙二アナウンサーは「こちらからですよ」とフェイントを掛けてました。

 登壇したのは監督の三谷幸喜、出演者からは佐藤浩市妻夫木聡深津絵里西田敏行綾瀬はるか小日向文世戸田恵子伊吹吾郎の合計9人。これだけいると挨拶に各個人にふたつぐらい訊ねただけで終わってしまいますが、しかしそれでも全員ちゃんとキャラを出してました。佐藤浩市は生真面目に戸惑っていたし、妻夫木聡は入場のとき自分の母親に握手を求められた話をし、綾瀬はるかは思いっ切り天然な人柄が解る挨拶ぶり。しかし何と言っても楽しかったのは、ずっとテレビ時代劇で活躍してきて、これが映画初出演だったらしい伊吹吾郎の挨拶です。実に重々しい口調で、しかしユーモアとサービス精神を感じさせてくれる話しぶり。最初の挨拶のとき、他の登壇者が「始まったよ」とばかりそわそわしていたのも、次に話が振られたときには観客もそのインパクトを楽しんでいたのが印象的でした。

 終了後は近くのうどん屋で昼食を摂り、あとはまっすぐ帰宅。……動き回ってはいるが体調は依然として万全でないらしく、帰るころには腹の中で叛乱が起きていたため、寄り道することなんか考えつかなかったりして。

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