レンタルDVD鑑賞日記その60。

 劇場公開のときから気になっていて、しかし予告篇だけでもかなりえぐい内容だけに覚悟を決めるのに時間がかかり、結果的に観ることが出来なかった1本。やっと借りて鑑賞しました。『ノロイ』の白石晃士監督が挑んだ、極限のゴア映画。

 ……なんですが、あれ? 驚いたことに、私はこれ、そんな度を超えて凄まじい作品だとは感じませんでした。前日に『ホステル』を観ているせいかも知れませんが、確かにやっていることは残虐で執拗であるものの、その表現の仕方はわりと穏当。危害を加えているところを直接は描かず、反応で見せている。あまりに実が詰まっているせいで強烈に見えますが、でも表現自体は決して既存のレベルを超えていない。

 この作品の凄さは、そういう暴力描写を物語にとっての目的そのものとしてしまったこと、また暴力がよりインパクトを増すように付け加えた、犠牲者ふたりのやり取りの静かさと清潔さにこそあるように思います。確かにスプラッタ嫌いの人が観たら失神しかねないレベルとクオリティではありますが、好きな人が冷静に観たらそれほど突出していないことに気づくはずですし、むしろ本質的にはとても理性的に作られていることのほうに驚くかも。

 ……まあ、どっちにしても、観るのも薦めていいのも、ほんとーにホラー映画、スプラッタ映画が好きで、フィクションとして冷静に受け止められる人だけなのは確かです。どっちにも該当しない人は近づかないほうが無難。

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