本日のお買い物、或いはジャッキー・チェンDVDコレクション最終巻までについての考察。

 きのう、おとといとこれが入る大きめの郵便受けを覗いていなかったので、いつ届いたのか解りません。まあどっちにしても、今回も早めに届いたジャッキー・チェンDVDコレクション第62巻です。2013年に制作された、ジャッキーを代表するシリーズの新世紀最新版『ポリス・ストーリー/レジェンド』。

 ……しかし正直なところ、収録作品についてはどうでもいい。そっちを知りたい方はタイトルにリンクした感想をご覧頂くとして、今回衝撃だったのは巻末に記された告知です。

 74号刊行予定がかなり短縮されて、66号で完結になるんだそうです。つまり、あと4号で終わり。

 ……まあ、シリーズが始まるときから危惧はしてました。ちゃんと権利は確保できてるのか、見切り発車ではないのか、と。結果として、恐れていたとおりだったみたいです。

 ちなみに次号63巻は『三城記』。またしても“何それ”と大半のひとは思うでしょうが、ファンはピンと来ると同時に、これが来るのは驚きだったはず。ジャッキーには関連作品として、本人以上に数奇な運命を辿った両親や一族についてのドキュメンタリー『失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン』があります。これはジャッキーのファンでなくても興味深く観られるはずのなかなか秀逸な家族史なのですが、これをベースにした映画が撮影される、という話があって、そのタイトルが『三城記』だったのです。

 制作は昨年、劇場公開はおろか映像ソフトとして単独でのリリースもなく、まさにこれが本邦初公開。私は『失われた〜』は可能であれば是非とも収録して欲しい、と思っていたので、そのドラマ化である『三城記』を一般リリースに先駆けて採用した、というのは評価していいと思う。監督は同じメイベル・チャン、主演はジャッキーとの共演経験もある演技派ラウ・チンワンに『ラスト、コーション』などのタン・ウェイ。アクションはないようで、谷垣健治氏の解説パートは省かれるようですが、作品としては楽しみ。

 とはいえ、そのあと残り3巻しかない、というのには失望を禁じ得ません。それでは何が収録されるのか、と首をひねり、未収録作品を挙げていくと、ちょっとピンと来るものがありました。

 どうも、ワーナーと松竹、KADOKAWAあたりが権利を持っている作品をうまく取り込めなかったらしい。

 特にワーナーは如実で、『キャノンボール2』と『ラッシュアワー』3作品が未収録。残り3巻しかスペースがないことを思うと、最善のパターンで3作ぜんぶ収録、という想像も出来ますが……たぶん難しい。何故なら、『ラッシュアワー』はそもそも第1作がリリース予定に含まれていたのに、直前で変更になった経緯があるから。どのような不都合があったのか、は想像するほかありませんが、いちど飛ばされた作品が、最後にシリーズの後続作品と揃って収録されるとはちょっと考えにくい。やっぱり望みは薄そうです。

 それから松竹。調べてみると、ここはサモ・ハンとの共演作『ファースト・ミッション』と、最近の劇場未公開作『カンフー・キッド』をリリース、『ドラゴン・キングダム』も配給してます。ちょうど3作品あるので、最後にまとめて収録される目も残っているようには思えます。

 そして、最後のジャッキー・アクション大作『ライジング・ドラゴン』を配給したKADOKAWAです。2000年代以降のハリウッドでの作品、『80デイズ』や『メダリオン』を配給したヘラルドを吸収しているので、おおまかに括りますが、この辺もリリースされていない。『ライジング・ドラゴン』はKADOKAWAからのリリースですが、ヘラルドの系統は現在のNBC Universalでリリースされていたり、権利の流れが部外者にはちょっと把握しづらい。その辺を考慮すると、ここも望み薄なのかなー、と感じております。せめて『ライジング・ドラゴン』は入れて欲しかったんですけど。本誌の趣旨からすると、あれこそ掉尾を飾るに相応しい作品ではなかろうか。

 ――といった具合に、権利から可能性を探っていくと、現在日本国内でちゃんとしたものがリリースされていない作品あたりが残りの枠に入ってくる、と思われます。そう推測したとき残るのは、『ポリス・ストーリー3』で強い印象を残したミシェル・ヨーのキャラクターに焦点を当てつつ、ジャッキー自身もカメオ出演しているスピンオフ『プロジェクトS』と――そして、まともなヴァージョンが市場に出ていない『シティーハンター』なのです。

 そういうわけで、個人的には悲願だった『シティーハンター』はなんとか入りそうな予感を覚えてるのですが、あくまで希望的観測に過ぎない。そして、たとえ『シティーハンター』が入るとしても、やっぱり目玉と言える作品がたくさん漏れてしまいそうな完結の前倒しには、落胆せざるを得ないのです。

 もうね、最近の作品はいいから、せめて『ラッシュアワー』1作目くらいまでは、しっかり契約を成立させてからリリースして欲しかったわ。確か最初の予定では『ラッシュアワー』は発売予定に含まれてたのに、変更になった時点でちょっとイヤな予感はしていたのですけど……。

 最後に改めて、64巻から66巻までに収録される作品を予想すると、成立すれば初DVD化になる『プロジェクトS』、権利がどうなっているのか解りませんが変な廉価版ばっかりでいまいちまともなもののなかった『シティーハンター』、そして希望的観測として、KADOKAWAが映像ソフトまですべてリリースしていること、公開時に本誌の関係者が多数携わっていた縁もあって、掉尾に『ライジング・ドラゴン』が来る――というのがいちばんありそうなところではないか、と考えてます。

 あくまで、私の知識の範囲で推測したラインナップに過ぎないので信じないでいただきたい。もし当たってたら褒めて。

コメント

  1. まーも より:

    すごく参考になりました!個人的には、日本で公開されたクーロンズアイとファーストミッション。でも、おっしゃるように、シティハンターやラッシュアワーも収録されてませんでしたね〜。非常に残念です・・・。情報をありがとうございました!すっきりしました!

  2. tuckf より:

    けっきょく予測自体は『ライジング・ドラゴン』しか当たりませんでしたが、参考になったようであれば幸いです。
    ちなみに、『クーロンズアイ』は恐らく『九龍の眼/ポリス・ストーリー2』のことかと思いますが、それでしたら第14号に収録されてます。

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