第30回東京国際映画祭コンペティション部門観客賞受賞作品上映 at TOHOシネマズ六本木ヒルズ。

 例年この時期に開催されている東京国際映画祭ですが、今年はチケット発売の時期、色々と多忙だったせいもあり、細かく上映作品をチェックすることが出来ませんでした。懐事情もあったので、色々考えた結果、観客賞受賞作上映のチケットだけ買っておりました――どーせ選べないなら、観に来た人たちがいちばん素直に「良かった」という声を上げることの出来た作品を観ておくのが最善だろう、と思ったので。実際、去年の『ダイ・ビューティフル』もおととしの『神様の思し召し』もいい映画でしたし。

 悩んだのが移動手段です。六本木界隈はバイクの駐車場が全般に高めで、下手なところに駐めるとかなり高くなってしまう。調べてみたところ、映画館からちょっと離れていますが、1時間100円と、まあまあ許容範囲内の料金設定になっている駐車場を見つけたので、利用することにしてバイクに跨がる。

 受賞者の挨拶も含んだ上映開始は19時半、先に食事を摂らないとしんどいので、久々に行きつけのうどん店で食事。来ないあいだにだいぶ胃が弱っていたので、いつもの調子で頼んだら少々しんどかったのですが、でも満足。

 食後、こちらも久々となるTOHOシネマズ六本木ヒルズへ。昨年まではイベントの中で発表があったのですが、今回は既に発表済だったようで、スクリーン前には受賞作のポスターが飾られてました。

 そんなわけで鑑賞した、本年度の観客賞受賞作は、綿矢りさの小説を大九明子監督&松岡茉優主演で映画化した作品、中学の頃から妄想の恋人と付き合う女が初めて受けた告白を境に変化していく様をコミカルにパワフルに描いた勝手にふるえてろ』(PHANTOM FILM配給)

 これは文句なく面白かった。SNSにも本音を吐き出すことが出来ず、妄想の恋人に固執していた女性が、想定外の経緯により変化を余儀なくされるプロセスを、ユーモアたっぷりに描いているのですが、とにかくこの松岡茉優がいい。いかにも現代的な鬱屈を無数に抱えていて、だいぶ駄目な人ですが共感せずにいられない。それを露悪的でなく、しばしばキュートに感じさせる人物像に仕立てているのは、間違いなく彼女の功績だと思う。予測できない展開や細かな仕掛けも効いていて、実に楽しい作品でありました。個人的には『タモリ倶楽部』の小ネタがツボでした。

 ……というわけで、私の東京国際映画祭はこの1本で終了。でもやっぱり観客賞を選んで正解でした。観終わってから気分がいいもの。

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