剥き出しのエルトン・ジョン。

 3日連続で映画鑑賞に行ってきました。ただし本日は、母のリクエストです……私も観たかったのは確かなので、予定を合わせて、朝から電車にて日比谷へ。

 今年10回目の訪問となるTOHOシネマズ日比谷にて鑑賞した今日の作品は、UKの“ピアノマンエルトン・ジョンの波乱に満ちた前半生を、『ボヘミアン・ラプソディ』の隠れたもうひとりの監督であるデクスター・フレッチャーのメガフォン、『キングスマン』シリーズのタロン・エガートン主演で空想的なミュージカルとして描きだしたロケットマン(字幕・Dolby ATMOS』(東和ピクチャーズ配給)

ボヘミアン・ラプソディ』と違い、いまも現役で活動するレジェンドを描くわけですから、幇間めいた作りになりかねないところですが、幼少時の鬱屈から名声を獲得していく過程での失意、様々な醜聞も赤裸々に、しかしミュージカルという彩りで飾り立てて、感情に訴えかけつつもファンタジーめいた雰囲気で展開する。それぞれのミュージカル・シークエンスや細かな描写に芯を通した演出でリアリティを加えてるんですが、その意味でやはり注目すべきはタロン・エガートンです。顔も声も決して似ていないのに、『ボヘミアン~』のラミ・マレック同様、気づけばエルトン・ジョンにしか見えなくなっている。個人的には彼の演技力も歌唱力もこれまでの出演作で理解してはいたんですが、それらが一気に結実するかのようなラストの趣向にはゾクゾクしました。その人生の経緯にもフレディ・マーキュリーと重なるものを窺わせつつも、異なるアプローチで、しかし『ボヘミアン~』に匹敵する昂揚とカタルシスをもたらす好篇でした。タロンはたぶん今後存在感を増していく、と『キングスマン』の時点でほぼ確信してたんですが、もしかしたらこれでアカデミー賞ノミネートくらいは行くかも知れない。

 鑑賞後は、前に母と日比谷に来たときに入った稲庭うどんのお店で昼食。ほんとにここは、バランスが良くてすっきりと食べられます。やはりお昼時だと並ぶ可能性もあるようですが、何組かが前にいる程度なら待ってもいい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました