あの晩、木原氏が触れていなかったこと。

 翌日に気づいてネタにしようと目論見ながらすっきり二日も忘れていた私もどうかとは思うが。

 妖・怪談義の翌日、意地で映画を観に行ったのはご存知の通りだが、そのときチラシを漁っていて、怪談新耳袋[劇場版]』第二弾&第三弾のものを発見したのです。

 一瞬目を疑いました。だって、あの晩はやたらとPSPゲーム版実話怪談新耳袋 一ノ章 前編については宣伝してましたが(何遍観ても「怪談シェアリング」機能は妙だ……)映画については触れていた覚えがない。テレビドラマ第四シリーズについてはちょっとだけ口にしていたような気がするが、少なくとも記憶に残るような言い方はしてなかったぞ。

 チラシに目を通す。第二弾・第三弾ともにドラマ版と異なる長篇版。長篇にするだけあって、選ばれたエピソードもなるほど、と頷けるもの。8月15日月曜日、と妙な日に上映の始まる第二弾は、『新耳袋 第六夜』収録の「居にまつわる二十の話」――あの[幽霊マンション]のエピソード群を扱っている。監督はドラマ版にていちばん安定した演出力を発揮している吉田秋生氏、主演は『ケータイ刑事 銭形泪』の黒川芽以。そしてチラシにも正確な公開時期が告知されていない第三弾は、今年に文庫版刊行予定の『新耳袋 第七夜』、「縁にまつわる十四の話」に基づく[ノブヒロさん]篇。こちらの監督は、やはり新耳ドラマシリーズや『怪奇大家族』を手がけた豊島圭介、主演は内山理名。どっちも楽しみ。

 折角なのでもひとつついでに実話怪談原作映画に言及しておこう。こっちは既に先行試写の模様などがネット上で触れられてますが、平山夢明原作の「超」怖い話THE MOVIE 闇の映画祭が7月2日より一週間限定ですが公開となります。新耳袋と違うのは、こちらは平山氏の指名した監督陣がそれぞれの手法で『「超」怖い話』らしい映画を作り、観客にそのなかからいちばん出来のいいと思うものを選び投票してもらって、その結果を競うという趣向を凝らしていること。なかには個人的に日本の俳優では特に好きなひとりである津田寛治氏が名前を連ねていて、その意味でこちらも私には必見の作品。……粗筋を観ると「ほんとに怪談か?!」と思うようなのもありますが。特に遠藤憲一主演のやつが……

 何はともあれ、怪談好きはこの夏も劇場にも注意を向けていただきたい、と。

 ……それにしても怪談作家の皆様は、ひとにどんだけ散財させれば気が済むんですか。結局PSPまで買わされるのか……

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