『苺ましまろ』第十話

 原作第二巻『一次方程式の応用』の脚色プラス催眠術のエピソード。

 やっぱり原作と比べていいお姉ちゃんと化してます伸恵さん。無理矢理招集する強引さは受け継いでますが、限定のケーキを食べさせてやりたいという明確な意図があった分、まだしもいい人に見える。

 全体にほのぼのした雰囲気を心懸けているらしいアニメ版としては正しい脚色なのですが、原作の授業内容を絡めた一種アグレッシヴとも言える可笑しさからは隔たってしまったのが残念。原作におけるこのエピソードの面白さは、佐鳴湖の地図を用いた問題文と相俟って構築されていたものゆえ、そこを削ってしまったのがいけない。更に引っかかるのは、登場した外国人が思いっ切りバッタもんくさく見えること。自然な英語で演技できる人を起用するぐらいの機転は利かせましょう。

 とはいえ脚色に対してはこの程度の文句のみなのですが、作画と演出はちょっと、どうだろうという気が。作画では目の焦点が合ってない場面が多かったように思いますし、演出は間の取り方がどこもかしこも微妙。終盤に近づいてスケジュール的に追い込まれているように見えるのは果たして気のせいかどうか。

 とまあ、なまじお気に入りのエピソードであったせいか、我ながらちょっと評価が辛くなるのでした。この生温い空気は好きなんですけどー。

 来週は銭湯編プラス、クリスマスネタか? それともラストにクリスマスの話を持ってきて収めるためのネタふりか? いずれにせよ残すところあと二回、のはず。

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