7月22日に、2021年7月リリースの『心霊盂蘭盆16』を鑑賞。社会復帰支援の仕事をする男性の密着取材で記録された異様な出来事《ひきこもり》、ネットに昆虫を捕る様子をアップしていた男性が、雨の夜の森林公園で味わった恐怖《雨の昆虫採集》、一連の動画の根源と思われる出来事を綴る《傀儡咒の徒花》など、全5篇を収録。
姉妹シリーズ《心霊曼邪羅》よりまだ面白い、と思えるのは、このシリーズが基本、収録されたエピソードが連携し合って、全体で異様さ、怖さを演出しているから。怪奇映像自体が胡散臭かったり、作り物として多少安易でも、その連なりで“ホラー”としての面白さは生み出せますから、まあ満足度は上がる。
そこから問題となってくるのが、映像として、そこで綴られる出来事として、どこまで説得力があるか、です。
冒頭の《ひきこもり》からしてその点が微妙で、密着取材のような体で、ひきこもりの就労支援団体の活動を記録しているんですが、この相談員と思しき男性の喋り方、態度があまりに素人臭い。状況的にやむを得ないとは言い条、こんな態度では、ひきこもりに陥った人が心を許すどころか、耳も傾けてくれません。刃物を持ってるらしいから、という前提で手袋着用で現れますが、その必要があるなら手袋より防刃ベストではなかろうか。それが難しくても、訪れるのは当事者の自宅なんですから、必要なのは刃物を持たせない対応で、こんな“上から目線”で何をまとめようとしていたのやら。まあ、仮にこの相談員が時々ある、乱暴なやり方を選ぶ団体の一員だったとしても、過程に首を傾げる点が多すぎて、怪異に集中できません。
他のものは、基本のシチュエーションが突飛ではないので、まだ比較的マシです――《危険な高架下》は、怪異が起きはじめてからの行動がいちいち引っかかりますし、血の出方とか、怪異が起きてからの反応にいろいろと不自然さは禁じ得ないものの、導入部分はまあまあありうるから、後半はホラーとして観ていられる。
しかし、いちばん引っかかるのは最後のエピソード、一連の映像の背景に迫る《傀儡咒の徒花》です。最後に登場する動画が、どうも一連の怪奇現象の“発端”と思われるのですが……ああいう状況、あり得るか? 撮影者がああいう風に遭遇するのも、そのあとの生きている人間の行動も、終盤に登場すると怪異の映り方まで、あまりリアルとは言い難い。
百歩譲って、展開は映ったそのままだとしても、この動画に関連する噂と、実際の“現場”の様子がどうしても馴染みません。この環境でそんな噂、立つか? 街からもそんなに離れていないし、いちおうは管理されている様子なのに、そんなこと出来る?
ただこのシリーズ、本巻に限らず、1巻通して内容が繋がりあっていて、その不自然さ故に、はなからフィクションとして割り切って鑑賞出来てしまう。だから、あちこち不自然でも、趣向そのものと、怖さは素直に楽しめてしまうのです。そういう意味では、姉妹シリーズ《心霊曼邪羅》よりは心穏やかに観ていられる……ホラーだというのに心穏やかなのはどうなん、
あの立地で、見つからずに埋めるのはなかなか大変だよー……?[レンタルDVD鑑賞日記その954]
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