『FESTA!! HYPER GIRLS POP』プレイ日記第2回

 いちおう遊んでますが……しんどい。本当に、しんどい。感性が合わない、とフォローしてあげたいところですが、これはどう考えてもライターが笑いの呼吸を理解せずに、ノリとマニアックなネタを詰め込めば面白いだろう、と安易に考えて話を作っているレベルとしか言えない。特にお嬢様と巫女もどき(たとえ当人が怒ろうと、彼女は完全に“もどき”の域を出ません)の戦闘シーンはギャグはおろか真面目な会話でさえ滑っていて、居たたまれませんでした。ていうか本気で苛々してきます。

 そもそもプレイヤーキャラからして、常識人のように見えてかなり物云いは歪んでいる。教室の中に立っている、“MINAGOROSHI”とだけ記された石柱を即“墓石”と表現してしまう感性がさっぱり理解できません。説明からすると教室の一角に、たぶん車輪つきの台座に乗せられていたはずなんですから、それを見ていきなり“墓石”だとは考えないでしょう。持ち主である巫女もどき・久遠寺凜のキャラクターと合わせて“墓石”と比喩するならまだしも――ていうかだいたい神道であの形状の墓石はないだろうに。

 シナリオはスティック選択方式で、並んだもののなかからひとつを適当に選んで進めていくかたちになっています。最初ふたつは強制で、以降残り五つは自由に選べるようですが――そういうシステムにした理由が不明。強制二つが終ったあと、試しにちょっと離れたところにある「千神姉妹のお買い物」というシナリオを始めてみたのですが、途中経過を省略した会話をしている。小説であればあまり気にならない手法ですが、選択肢を辿って物語を進めていく、というゲームのスタイルでは違和感がありすぎます。いやそれ以前に、このシステムだと自分がいったいどの日付のイベントを鑑賞しているのかが解らず、もともと異様な世界観のために話の中に入り込みづらくなっているプレイヤーを尚更遠ざけてしまっている。……そりゃのめり込めないわけだ。

 キャラクター自体、そんなに嫌いではないのですが、練り込みの密度にばらつきのありすぎる世界観と、キャラクター性をあまり活かしていないシナリオのためにほとんど動かなくなってしまっている。広原翔というキャラクターにしても、あのヒロッチョの系譜を踏みつつはみ出していく台詞に子安武人を起用したアイディアは素晴らしいと思うんですが……こちらはこちらで、グラフィックの質がついていっていないために目障りになっている。

 まだたぶん、ひとまわり目の半分くらいしか進んでいないのですが、それにしても褒めるところがなさ過ぎて困ってます。Lass作品は一作目からずっと律儀にやってますが、ここまできついのは初めてだ……手加減したくても、本当に美点があまり見つからないのでどうしようもないんだよー!

 更新後に追記。四番目くらいのスティック選択で、何故か夏休みに境界線を挟んで怪談話を始めるシナリオが登場します――なんでわざわざ境界線を挟んで双方が参加するのか、どうしてそういう成り行きになっているのか一切説明がないのもアレなんですが……怪談の話運びを追っていて更に苛立ちました。怪談の舞台となった場所について、双葉が「10年くらい前にテレビでやってた」と表現するのも微妙なら、肝心の話の内容も微妙。怪談なめてんじゃねえ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました