カイの懇願を受けて、イレーヌに自らの血を与えた小夜だったが、結果はジョージと同じ――その死を促進しただけだった。この事実にシフは撤退し、小夜もカイも衝撃を隠しきれない。同じころ、ディーヴァのシュヴァリエたちが、“赤い盾”がいまフランスに潜伏していることを嗅ぎつける――
2話続けて観ると、同じところをぐるぐる回っている気がしてしまうのはどうしたものやら。気持ちにケジメをつけたのに、具体的な行動が出来ないまま外側から別の展開が齎される、というのが繰り返されているので、主軸たる小夜やカイたちに自発的なものがあまり感じられないのがまだるっこしさと展開の牽引力とを削いでいるような。シフが小夜を襲撃することの無意味さを悟ったことは間違いなく新しい展開への布石なんですけど、いまいち昂揚感がないし。
それでも毎度ながら、細部の描写はいいのです。イレーヌの死に打ち拉がれる小夜とカイの描写、珍しく内面を覗かせたハジ、などなど。真央が割合あっさりと小夜の苦境に理解を示したのが拍子抜けでしたが、人物の描き方はおおむね堂に入っています。そろそろクライマックスへ向けて激しく動きはじめることを期待しよう。
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