まだ傷を縫ったまんまで見る映画ではなくないか……?

 プログラム切替直後の火曜日は午前十時の映画祭11を観に行く日……だけどきょうは切替直後ではありません。何故なら、同じコマに、4月の緊急事態宣言下で充分に上映時間が確保出来なかった『ティファニーで朝食を』の振替上映が実施されてしまったため、そちらを優先してしまったから。まあ、今コマの作品は映画祭で2回目の上映、感想もちゃんとアップしてあるので、コンプリートのために押さえるだけ。最悪、遅刻してもそんなに問題はないので、一週先送りにした次第。
 快晴、ではないけれど、雨が降るような陽気でもないので、自転車で――と思ってましたが、少々悩んで、電車を使うことに。さすがにもう痛みはほとんどないんですが、それでも先週の手術跡に未だ縫合の糸が残っている。自転車で走って、何かあっては困ります。歩きの多いルートにして、適度に運動を挟みつつ向かいました。気持ちが出来ていたのか、朝もけっこう早起き出来てしまったので、遅刻どころか余裕を持って到着。
 例によって例の如くTOHOシネマズ日本橋で鑑賞した、午前十時の映画祭11今コマの本来の上映作は、黒澤明監督×三船敏郎主演、山本周五郎の小説をもとに、小石川療養所で多くの人びとを救った医師を描くヒューマンドラマ赤ひげ』(東宝初公開時配給)
 れほど込み入ったストーリーがあるわけではない、でもべらぼうに面白い。赤ひげのユニークだが芯の通った人物像に、序盤は尊大でさえあった保本が感化され、医者として成長していく姿にひたすら惹きつけられます。点綴される、この時代だからこその人間模様も見応えがある。医者だからと言って誰も彼も救えるわけではない、だからこそひとびとの命と向き合うさまが尊い。
 しかしこの映画で私が何よりも好きなのは、遊郭でこき使われ患った少女を救うくだりです。用心棒たちを文字通り軽々とひねっておいて、その容態を自分で確かめて「医者がこんなことではいかん」とぶつぶつ言ってる赤ひげが可笑しくて可笑しくて。ドラマ部分の印象は薄れてたんですが、ここだけはまったく忘れてなかった。

 鑑賞後の昼食は日本橋ふくしま館 MIDETTEのイートインにて浜鶏らーめんを食べてきました。個人的には麺のもちもち感がもう少しある方が好みですが、ここはスープが美味しいので、イベントカレンダーにて今日はこの店が来ている、と知ったときから、他の選択肢は頭にありませんでした。

TOHOシネマズ日本橋、スクリーン6入口脇に掲示された『赤ひげ』解説記事。
TOHOシネマズ日本橋、スクリーン6入口脇に掲示された『赤ひげ』解説記事。

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