『ARIA The NATURAL』第16話 その ゴンドラとの別れは…

 灯里がずっと使っていたゴンドラが、定期点検の結果、もう半人前用とはいえ客を乗せて失礼に当たるレベルにまで傷んでいたと判明する。すっかり落ちこんでいる灯里に、アリシアは一日休みを与える。想い出の場所を巡ってきなさいという彼女の言葉に甘えて、灯里はゴンドラとの別れを静かに、ゆったりと惜しむのだった。

 耐久消耗材であるが故に必ず訪れる“別れ”を織りこんだこの話も、原作では好きな1話でしたが、やっぱりアニメにしてもこれは沁みます。原作では第1話からの流れをおさらいしている趣でしたが、アニメ版では序章である『AQUA』のときのエピソードはすっ飛ばしていたため、この機にとばかり描いていなかった過去のエピソードを織りこんでいるのは好判断です。特に勿体ないと思っていた初漕ぎの場面や、初めて客となった暁とのひと幕、そして両手袋(見習い)から片手袋(半人前)への昇格試験をちゃんと動く画で観られたのは嬉しい――願わくば、もうちょっと作画のクオリティが高ければ良かったんですけど。

 とは言い条、相変わらず勘所はちゃんと押さえていい作画を持ってくるようにしていますし、原作とは異なる処理も好感触。個人的には、あの思いがけないクライマックスは軽く盛り込んで欲しかったところですが、別れの余韻をまつわらせたままのこの締め括りもいいものです。脚色の仕方にも心意気を感じさせる、悪くない仕上がりの1話でした。中盤に来て、やっと少し持ち直したかな?

 そういえば、この話からEDが替わったようです。灯里を演じる葉月絵理乃による曲。ま、正直、歌唱力には疑問を覚えましたが、雰囲気はいいですし、背景のほうはこれまでと異なった幻想的な作りで良し。

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