夜の映画鑑賞→新耳袋トークライブ49

 夕方、ふだんよりちょっと早めに軽い夕食を摂ったあと、19時ちょっと前にバイクにて出発。最近は有楽町へは電車で、六本木・新宿にはバイクで、というのが定着していますが、本日は六本木から新宿への移動となるため、夜から早朝、徹夜明けでの移動というリスクを承知でバイクを利用しました。駐輪する場所がちゃんとあるのですから、積極的に利用しないと。

 というわけでまずは六本木へ。いつものTOHOシネマズに駆けつけ、チケットカウンター後ろのモニターを見て愕然とする。目当ての作品、目当ての時間帯に既に×マークがついていました。それでも念のために訊ねてみたところ、最前列だけは空いているとのこと。基本的に前から3列目ぐらいまでを意図的に選ぶ私でも、本日公開つまり大きめのスクリーンを使っている作品で最前列はきつい、と自覚しつつも、もう来てしまったのでそこで押さえる。

 作品は、誰もが知っているあのヒーローを、『X−MEN』シリーズのブライアン・シンガー監督が完結編を抛ってまで復活させ、本国で好評を博した娯楽超大作スーパーマン・リターンズ』(Warner Bros.・配給)。もうちょっと“凡人”クラーク・ケントの悲哀を描いてくれれば文句なしだったのですが、それ以外はほぼ完璧なヒーロー・アクションです。あくまで人間が変化したものにすぎないスパイダー・マンやX−MENと異なり、異星人であるスーパーマンの常識を上回る能力を見事に発揮できる活躍の場をふんだんに用意し、息をつく暇もありません。最愛の人ルイスとその息子をめぐるストーリー、また唯一スーパーマンを窮地に追い込むことの出来る宿敵レックス・ルーサーの魅力も十分で、2時間半まったく飽きることなく楽しめます。この夏最後の大作として申し分のない完成度でした。詳しい感想は明日以降、この辺に。しかし、いちばん前でやたらスクリーンが近かったことよりも、隣の席のおっさんがやたらと寛ぐあまりに、肘掛けを越えて肘を突き出したりするのが気になりました……。

 観賞後はふたたびバイクに乗って新宿へと向かう。道中、青山霊園添いになると急に交通量が減るのがなんか厭だ。靖国通り、歌舞伎町のはずれあたりに駐めて、やや早めながら現地入り。今回はこのイベント絡みではいちばん古くからのお仲間であるNさんと二人きりでした。

 というわけで、この夏2度目、遂に49回目を迎えた新耳袋トークライブです。今回も中山市朗氏は登場せず、木原浩勝氏とすっかり丁稚扱いされているI氏中心で進行。

 まず第1部では、先日このライブで公開された、心霊スポットとして著名になったある廃ホテルに映画秘宝のスタッフが侵入した際のレポート映像の再検証を行う。別のイベントで公開されたとき、背後から聞こえる不可解な音が、当初考えられていたのと違う言葉に聞こえる、という報告があったため、もういちど確認を行ったのです。個人的には、確かにひとつはおかしな音だと思ったのですが、もうひとつのほうはちょっと微妙な印象。続いて、やたらと怪奇現象が発生しているという報告のあったある繁華街の飲食店に、I氏が設置した定点カメラ映像の検証。こちらはささやかながらなかなか奇妙な映像が捉えられていました。でも相変わらず具体的なものは映らないのですけど。

 休憩を挟んでの第2部は本日のハイライトのひとつ、怪談朗読。このイベントにはだいぶ前から観客として参加されている某ベテラン声優の方が、寺にて開催されたイベントで怪談の朗読を行いたいとして木原氏に執筆を依頼、当初15分ぐらいを目処にした分量で注文されたのですが結果的に上がったものは35分ほどに相当する分量で、イベントにおいてはこれを何とか尺に収めたものをかけたそうなのですが、勿体ないのでここで完全版を御披露目しよう、というもの。新耳袋本文では忌避してきた呪いの主題に、細かな改竄を施して朗読というスタイルに相応しいかたちに纏められた原稿を、貫禄の表現力で演じるさまはさすが圧巻。直後に木原氏自身の、朗読に相応しい内容にするための趣向についても解説があって、このあたりは非常に興味深かった。

 続いて、I氏によるもうひとつの現場検証の開陳。しばらく前に報告された大作エピソードの舞台現地を訪問し、事情を突き詰めようという趣旨だったはずが……えらい結果になってしまった、というもの。本題とは無縁のところで奇妙な出来事や興味深い事実は発掘されたものの、肝心の中身のほうはぜんぶ眉唾物になってしまったという、非常にトホホな報告でありました。……それはそれで面白かったんですが。まあ、こういうことが起きうるのも怪談の面白いところです。

 そして第3部は、やっとこまともな新作怪談の御披露目。あまり残り時間も少ないなかなので、木原氏とI氏それぞれがちょっと長めのネタをひとつずつ、そして最後に木原氏が短いものをふたつ披露しただけでしたが、数が少ないせいもあってかなかなか強烈な内容でした。特に木原氏報告のエピソードは、幸運であれば話のなかに登場する映像も次回あたりに確認できそうなので、そちらにも期待。

 5時30分ぐらいに終演、会場外でN氏と別れて、寝不足のなかバイクにて帰宅。さっさと寝たいところではありましたが、それ以上に昨日いっぱいあまりに忙しなく動き回っていたため着替える時間が無く、まずは汗だくになった躰をシャワーで流してからやっとこ就寝。夏は風呂に入る時間も計算に入れて行動するべきでした……。

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