長男が交通事故で死に、家族は崩壊した。母はオートバイを買い与えた父のせいにし、道路整備の杜撰さが事故を招いたと行政を訴える。責任をよそに求め、家庭を顧みなくなった母を、娘の恵美は懸命に支えようとするが……
メディアの対応にリアリティがないなあ。雨の中走っていて転倒したなら基本的に自損事故であり、仮に道路整備に問題を求めて訴えたとしても行政もさほど相手にしないでしょうしマスコミに至っては言わずもがな。マスコミの飽きっぽさは軽く描かれていますが、しかしさすがにこの反応は極端すぎるでしょう。
話の狙い自体は今回もまた悪くない。依頼をした当人は既に死に藁人形だけが残っている、息子を失った母親の狂気をリアルに描きながら、呪われた相手が誰なのか詳らかにしないまま話が進んでいく……そう、狙いは悪くない。でも細部はもうどーしようもなくガタガタ。そもそも当人が消えたら、残された人形を見つけた者に契約が移るという解釈がかなり変ですし、終盤の心情の変化にも説得力がない。エピローグの一節にしても、厭な余韻を残したかったのでしょうが、元々強かった作りもの臭さが余計強まってしまい、完全に結構を壊している。やるにしても、ああいう見せ方は駄目でしょう。
しかしそれ以上に、今回は通常の作画が乱れていたので、いまいち楽しめませんでした。走り高跳びの場面の、あの動きのぎこちなさは何なんだ。毎度の見せ場であるはずのやたらと凝りまくったあいの描写も不発、地獄コントなど完全にカット。今回はちょっと駄目すぎです。
コメント
兄貴の恨みが軽すぎるのもネックでしたね。あの程度で地獄通信を開けるなら、みんなで殺し合って地獄が満員御礼になります(´ー`)
実際にはもっと鬱積したものがあったのでしょうが、あの僅かな登場シーンだけでは察しにくかった。その辺も問題ですね。
ちなみに個人的には、もうとうに地獄は超満員だと思います。けっこー見境なく送りこんでいるようですし。その混雑ぶりもまた地獄である所以。