『Dr.コトー診療所2006』第10話

 コトー(吉岡秀隆)に託した手紙を介して、彩佳(柴咲コウ)は遂に自らが乳ガンであることを父・星野(小林薫)に打ち明ける。星野は半年にも亘って真実を隠していたコトーに失望し、シゲ(泉谷しげる)のアドヴァイスもあって上京、彩佳に問い質す。だが、島のことを考えず治療に専念するつもりだった彩佳は、安易に島に戻れ、と訴える父に激昂、ほうぼうの体で島に帰る羽目に……

 半年もの秘密が生んだ絆の屈折と恢復とを描いた一話。もう原作なんか関係なく話を進めていますが、しかしだからこそドラマとして育んできたものの豊かさを感じさせてくれました。コトーと彩佳の運命はともかくとして、もう作品としては何の問題があろーか、というものです。あと1話しかないのが勿体ないわあ。

 とはいえ、コトーが自分の意思に従って動こう、というときにひとつ大きな問題があって、その解決法については原作に従ってくれたのが嬉しい。原作通りだとそのあとに更に酷いことが起きるんですが、ドラマ版の残りの尺と流れからするとたぶんそこまではやりますまい――っていうか、個人的にあの展開はあまり良くなかった、と思っているので、ドラマであそこまで反映してくれないほうが更に嬉しいんですが。

 何はともあれ、次週こそ本当の正念場。最後を飾る大手術をどう描くやら、そして原作でも未だにつけていない決着をどうするのか。刮目して待ちましょう。

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