新生聖桜学園生徒会が次に仕掛けたのは、学校対抗のドッジボール大会。必ず生徒会役員をふたり加え、大会後に懇親会を催す、という趣旨に六校が賛同した。ドッジボール大会自体は成功したものの、続く懇親会では、テンションの高い学美に他の学校の生徒会役員は戸惑いを隠せない。愛洸学園生徒会長の旗振りでとりあえずは学園祭についての真面目な話し合いになったが、まったく発言できなかった学美はしばし落ちこむ。が、それで引き下がらないのが学美なのだった。
……うーん、やっぱりOPが納得できない。作画・演出の実験性も評価するんですが、しかし物語の切り出しとしては完全に色合い、テーマともに失敗してるよなあ。2回ぶりのEDも、改めて観るとこれまたトーンが暗い。こっちは演出というより照明の配慮を怠っているようです。実験精神が強いのも考えものだ。
しかし肝心の本編のほうは相変わらず優秀。明るくポジティヴな展開をずっとするかと思いきや、他校にまで学美の影響力が簡単には及ばないことを示して、ちょっとトーンを落とす。が、そこですぐに気を取り直すあたりで学美の個性を際立たせ、後半の真面目な展開に結びつけていく。もうこの定石をきちんと弁えているが故の端整さが素晴らしい。
が、さすがに夜の校舎における学美の力説場面はやりすぎだった気がします。思いっ切り呆気に取られてもうたわ。また前回の凝った前振りが、今回に限っていえば扱いが拍子抜けだったのも気になります。あれが愛洸学園の生徒会長の言動に影響を及ぼしているのは確実だとしても、それを窺わせるための心理的伏線がもうひとつ欲しかった。ちゃんと仄めかしてはいるのですけど、意欲の高い作品なだけにもーちょっと要求したくなるのです。OP・EDの出来に苛立っているがゆえの八つ当たりではない……と思う。
ちなみに今回、個人的にいちばんツボに入ったのは、相変わらず辛辣なことをいうわりにはあっさり巻き込まれている芽生――ではなく、事情を何も言ってくれない学美のテンションに振りまわされて落ちこむお兄様の姿でした。管理不能の妹を持つのも大変です。
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