『天保異聞 妖奇士』説十六 機の民

 勘定奉行が銃に似た謎の飛び道具で命を狙われる、という事件が発生した。時を同じくして、小笠原旧知の薬酒問屋が洋学嫌いの徒に頻繁に襲われる、という話があり、小笠原は双方に奇士を派遣することにした。事件の背後にいたのは、奇士に属する山の民・アビと因縁の深い機の民の男・マスラオであった……

 うん、相変わらず新しいエピソードの切り出しは焦点が定まっていなくて乗りにくい。欠点ではありますが、もうこういうスタイルを崩しようがないんだろうなあ。メンバーが多く、それぞれの過去、奇士に所属するに至った経緯をひとつひとつ拾いつつ、出来るだけ全員活躍させるためにはこうするしかないのも事実。でももーちょっと話を絞ってくれんもんか。

 盛り上がりである最後の追跡劇がどうもグズグズな終り方だったせいもあって、1話として見るとかなり微妙な仕上がりでした。とは言え、このシリーズは一区切りしてみないと判断しにくい面もあるので、判断は保留しておきましょう――普通の視聴者はそこまで気を遣うはずもなく、このスタイルはあんまり巧くないと思いつつも。

 ところで今回初登場したマスラオはけっこう端整な容姿で、デザイン的にはアビよりも中心人物っぽい。狂斎といい、さり気なく梃子入れしているように見えるのは気のせいでしょうか。

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