『地獄少女(実写版)』第十二話 現し世の闇 後編

 先週同様、やたら放送時間が遅かったため、録画しての鑑賞です。

 我が子・つぐみが拉致され、柴田は相手を呪うため自ら地獄通信にアクセスする。だが、彼の前に現れた地獄少女閻魔あいは藁人形を手渡しながら、柴田の妻・あゆみが消えたときの模様を伝える――彼女は失踪したのではなく、あいによって地獄に流されたのだ。

 アニメ版とはまったく異なるクライマックス。その主題や描き方は評価したいのですが、細部はアニメ版に勝る「えー」の連続。なんで柴田の周辺にああも悪意が蔓延っているのか、何年も隠していたものをちょっと追求されただけでどうして白状してしまうのか、なんであのきっかけで犯行に及んだのか。そもそもあいは何故柴田親子に関わろうとしたのか、の説明が完璧にどこかに飛んでしまっている。原作だって大して筋が通っているとは言い難かったのに、輪をかけて無茶苦茶です。

 そして最後に流されたあの方は、あの行動のせいで同情の余地がなくなりました。……あんたさ、自分でカタをつけたつもりかも知れませんが、結果として相手も巻き込んでいることに気づきませんか? 事情に気づかずにいた柴田自身の罪悪感はそれで贖われるかも知れませんが、どうも行動として微妙。死ぬだけなら別に地獄少女の手を借りる必要はない、という大前提を見失ってはいけないでしょう、ドラマとして。

 実写にしたぶん制約を受けつつも、その範囲内で設定を活かして独自のエピソードも入れてきたのは好感が持てたのですが、トータルではやっぱりぐだぐだでした。

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