成り行きで連日鑑賞したおとといまでとは違い、ごく普通に、日常として映画鑑賞へ。ただし、作品を観る前に来週封切りとなる某作品の初日舞台挨拶のチケットを確保してから、と思って早めに現地入りしたのですが――あっさり撃沈。何せ着いた時点でもう列が販売数分出来ちゃってるんだもんなあ。
まだチケットぴあで挑戦してみる手もあったのですが、この状況にあっさり気疲れして予定を変更。当初はチケットぴあの販売開始に挑戦したあとで映画を観るつもりで時間を調べてあったのですが、手近の劇場で間もなく上映の始まる作品があったので、そっちに切り替え。実のところ、水曜日に観るつもりだったのは上に感想をアップした『伝染歌』ではなくこっちだったのですから。……それにしても、映画サービスデーだということをチケットを購入する直前まで失念していたあたり、すっかり某会員証の恩恵に慣れきっていたようです。
というわけで本日鑑賞したのは、アポなし突撃とユーモアに富んだ作風によってドキュメンタリー監督としては珍しい成功を収めたマイケル・ムーアの最新作、アメリカの歪んだ保険制度にメスを入れた『シッコ』(GAGA Communications×博報堂DYメディアパートナーズ・配給)。今回も相変わらず面白い――確かにユーモアは減っていますが、それは主題そのものがあまりに身近すぎてただユーモアに転嫁することは不可能だったのと、素材の密度の高さと語る技術の向上によって、ユーモアに頼らずとも訴えたいことを描ききる自信があったからでしょう。実際、これまででいちばん穏やかですが訴える力は強く、それでいてラストは洒脱で、重いテーマにも拘わらず快い余韻を残す。何だかユーモアを削ったことでムーア監督の個性も損なわれていたような評価を耳にしていたものでやや不安を覚えていたのですがとんでもない、むしろ監督としての成熟を感じさせる出来だと思います。主題的にも日本にとって決して他人事ではないので、観ておいて損はない。
鑑賞後は近くの讃岐うどん店へ。久々に訪れたら、昼時にも拘わらず客がいなくて吃驚――陽気とタイミングの問題もあったのでしょうが、「移転準備のため夜の営業は控えます」とあったのがいちばんの原因なのかも。そのあと近くの本屋を覗きましたが何も買わずに帰宅。
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