『電脳コイル』第15話 駅向こうの少年

 母と妹と一緒に駅向こうまで買い物に来た優子は、これまでこちら側を探しに来たことがないと気づいて、ふたりと別れて探索に赴く。道に迷った優子は、地元の小学生たちに勇子と間違われて襲われそうになるが、タケルという少年に助けられた。彼の協力で、優子は幼い頃の記憶に残る光景を求めて歩き回るが……

 珍しくヒロインらしい、出ずっぱりの優子と絡むのは新キャラクター・タケル。わりとひねくれ者や変わり者の多いこの作品では貴重な、素直で人当たりのいい少年です。初対面の女子と話すときの態度が実に素直でいい。あざといぐらいですがそれもまたいい。

 従来に比べて強いインパクトはないエピソードながら、これまでの伏線を結び合わせて、後半の展開を匂わせる堅実な話運びが快い。ようやく事態が進展したかに見せかけて、最後で更に謎を提示するあたりの呼吸もまた心憎いぞ。

 期待していた勇子の登板はありませんでしたが、代わりに「名前が似ている」がゆえのトラブルの種として存在を示していたあたりはさすが。ともあれ次回は久々の活躍に期待しましょう……夏休みを挟んでいるからいったいどれくらいぶりだ?

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