実に半年近く待望だった、『Aice5 Final Party LAST Aice5』のために、電車を乗り継いで横浜へ赴く。移動一時間。さすがに遠い!
横浜アリーナの開場時刻は17時30分、しかし私が到着したのは14時ちょっと過ぎ。早すぎるのは勘違いでも何でもなく、先行して行われる物販目的。何せ相手が声優の、いちおうはアイドルユニットですから、グッズ類もけっこうな種類を販売している。開場後に販売すると混乱は避けられないと現場も判断したのでしょう、12時から開場直前の17時までと、開場から開演までの1時間、プラス終演後の3回にわたって物販を行う旨が告知されていたのです。目当てはふたつ、多分売り切れるような量ではないだろう、と思いつつも、席に着いたらゆっくりしたいのと、折角ここまで遠出するのですから時間潰しと称して近くの映画館で1本観てこよう、と目論み、敢えて早めに現地入りした次第。……自分でも業が深いと思う。
駅を出て横浜アリーナに向かうと、道々銀色のバッグか、桃色も鮮やかな袋を携えている人とたびたびすれ違う。おおけっこうスムーズに販売が進んでいるのかな、と安心していたら……とんでもなかった。コミケの壁際中堅サークルぐらいの列が形成されてました。販売のための空間を仕切って作り、グッズの種類ごとにレジを分けて作業の効率化を図っているのは解るのですが、分けたために複数のグッズ目当ての客がいつまでも仕切りのなかに留まるため、結果的にやっぱり収拾がつかなくなってしまった感じ。まあ、普通にすべての窓口で全商品を取り扱わせても、結局は混乱が生じるので、どう足掻いてもこーなるのは致し方ない。まだ混乱を避ける努力が認められるだけましというものです。
そう潔く考えて列につこうと最後尾を辿っていくと、途中に何人か、DS Liteを構えている人を見かけました。おおお仲間、と思ってよく見ると、全員、色がアイスブルーでした。……念を押しておきますが、私は本当にわざとじゃないんだそ。結果的に、売り場のスペースに辿り着くまで小一時間ほどかかったのですが、そのあいだえんえん『レイトン教授と不思議な町』を遊び続けることになるかと思っていたら、仕事絡みの電話がかかってきたため、これでけっこう潰せてしまいました。如何せん、問題があるので私のほうは固有名詞極限まで落として話すという窮屈な有様でしたが。
どうにか購入したお目当ては、会場限定で販売された『Aice5 BOX』。これまでにリリースされたCD・DVDを収納・ディスプレイが出来る箱に特製Tシャツを詰めて、それに保冷ケースをつけたもの。正直どこまで本気なのかよく解らない代物ですが、どうせAice5のCD類は今後もちゃんと揃えて置いておくつもりだったので、これだけは押さえておくつもりだったのです。予想外に箱が大きかったのと、保冷ケースが本当にスイーツなんかを運ぶことを念頭に置いた作りだからか、同時に購入したメモリアル・ブックを一緒に入れると、口がすぐに開いてしまうのが、これから一時的に会場付近を離脱する私には困りものでしたが、まあ持ち歩くのは今日だけだから耐えるとしよう。ちなみにメモリアル・ブックは解散となる本日を発売日として一般書店でも流通していますが、記念ですから会場で購入しました。いちおう特典として写真付き。
買い物が済むと、小走りに最寄りの新横浜駅まで駆け戻り、ふた駅先の鴨居へ。いちおう“横浜”と冠された土地から僅かふた駅なのにまるで周囲がふつうの住宅街になってしまっていることに驚愕しつつ、川を越えたところにあるららぽーと横浜に小走りで向かう。
入ってみて驚いたのは、ららぽーと豊洲とデザインの方向性がまったく同じであること。エスカレーターのある吹き抜けを中心にした回廊から展開する作りや店舗の佇まいなどなどに既視感を覚えつつ、テナントのひとつである映画館に赴くと、あなたはユナイテッド・シネマが入っていたのに、こなたは六本木ヒルズと同じTOHOシネマズ。劇場の配置は豊洲と似ているのに経営母体が異なる、という状況に戸惑いましたがそこはそれ、既に予告編の始まった劇場に入ってよーやくひと息。
鑑賞したのは、三池崇史監督が自ら企画・原案を手懸けた、和製マカロニ・ウエスタン『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(Sony Pictures Entertainment・配給)。予告編から漂う異様さに惹かれ、スケジュールを調べたところちょうどいい具合に収まったので選びました。正直、細かなモチーフ以外は「日本人が英語でマカロニ・ウエスタンを演じている」という以上の雰囲気を出せなかった印象です。確かに冒頭は変だし随所が和風にはなっていますが、基本スタイルはあくまでウエスタンなので、どうも物足りない。しかし話運びは込み入っていますし、アクションには細かなアイディアがあって飽きさせません。そして魅力的な登場人物同士が絡みあう予測の出来ない展開と、随所にある胸を熱くさせる場面が鮮烈で、割り切って観れば非常に愉しい1本。少なくとも私は楽しめました。しかし誰よりもこの作品を楽しんでいたのはクエンティン・タランティーノだった気がしなくもない。
上映終了時間は、奇しくも横浜アリーナの開場時刻。開演まで1時間あるとは言え、ぼやぼやしていると席に着けなくなる怖れもある。というわけでまたしてもときどき走りを入れつつ、ふた駅戻ってアリーナへ。
しかし、着いてみるとまた出入口が混み合っている。荷物検査をしているのは当然でしょうが、どうもそればかりではないらしい。どうにか入ってみると、係員にあるものを手渡された。ああなるほどこれで、と納得しつつ、広大な会場をえんえん歩いて指定の席に着く。本当に広大で、よくもまあここを埋め尽くしたものだと改めて感心。私の座席は二階部分にあたり、センター席と呼ばれる一階部分を囲む楕円から四列目。ステージまではやや遠い印象でしたが、ちょうど通路脇なので、窮屈な想いはしない分まあ悪くない席かな、程度の認識でしたが、これがとんでもない誤解だったと気づくのはあとの話。
待つこと10数分程度、やや押した頃合いにようやく会場が暗くなる。ステージ左右に設置されたスクリーンに映像が――
――以下、本番は別エントリーにて。
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