水木の家に真夜中、奇怪な訪問者が現れる。隣の古寺に越してきた、と挨拶しに来たかと思えばそこに人の姿はなく、代わりに玄関先に置かれていたのは、ふたつの目玉を入れた箱。翌る日、人魂に誘われてその古寺を訪ねてみると、姿を見せたのは、目玉を食う女と、全身を包帯に巻いた男。彼らは自分たちを滅亡寸前の“幽霊族”と名乗り、死の病に冒されたためやむなく人里に降りてきたと言う。出来れば見逃して欲しいと、彼らは水木に懇願するが……
未だ『ゲゲゲの鬼太郎』が放送を続けているなか、今度は子供向けではない、本家本元の鬼太郎がアニメ化。ていうか気づけば三期連続でノイタミナ枠をチェックしている不思議*1。
『モノノ怪』のような実験性――と言いたいところですが、どっちかというとこの大前提があっての『モノノ怪』なのだなー。漫画のような細かな線を使った独特の映像、個人的にはそれだけでもうツボです。初回であるが故に力が入っているのかも知れませんが、このクオリティが続くのならそれだけで観る甲斐はある。
『ゲゲゲの鬼太郎』のなかではあまり屈託がなさそうな鬼太郎ですが、そもそも出自は暗いですし、そもそもは怪談の流れを踏襲した作品だった。そういうところを、深夜ならではの遠慮のなさで描いている。人間を助けるでもなく、無慈悲な興味で眺め、他方人間も徹底して妖怪を忌み嫌う。その理不尽でリアルな絡み合いがいい。
電気グルーヴによるOP、中川翔子によるEDも意外と合っている――というより、このあたりは『怪』から『モノノ怪』と続いた方法論を踏襲している感じです。詰まるところ私の好みなので、文句なく視聴継続決定。ちなみにしばらく先のエピソードで、お約束通り京極夏彦氏が登板するらしい。
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