『3年B組金八先生第8期』第14回

 大将の家庭事情を憂えた金八先生は、福祉相談所を訪れて、父をアルコール依存症から立ち直らせるために、施設入りを薦めるように助言された。折しも、受験に備えた校長の面接練習が始まっており、鬱屈を抱えた大将は校長に対して乱暴な口を利き、不興を買ってしまう。大将の推薦を取り消す、という校長の発言は美香の機転もあって撤回されたが、そんな彼を同級生達は心配し、裕美の父

 やー、第1回から思っていたけどこの校長、本当に馬鹿だ。体面ばかり繕って、つい先刻家庭のトラブルについて話題にしていたにも拘わらず、尊敬する人の例として父母を挙げて神経を逆撫でするなんて、実に配慮が乏しい。……が、ちゃんと他の教師が一斉に指摘しているあたり、やっぱりこのシリーズは非常に堅実です。第6期のあの校長みたいに非現実的なレベルまで達していないだけでも好感が持てる。

 大将の葛藤ぶりも、やたらに暴力的な手段に走らぬよう予防線を張っていて説得力がありますし、何よりそんな彼の姿を受けて彼の父と対決する金八先生の言葉の説得力が優秀。決して昔と異なった趣向を用いているわけではありませんが、きっちりとぶつかり合ったうえで紡ぎ出す言葉は実に重みがあっていい。

 斯くして、どうやら大将を巡る事件も一段落しました。彼の進路を思うと必ずしも本人にとってはまだまだ安心できる状況ではないものの、物語のひと幕としては優秀でした。

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